Windows 10は次のステージへ
20H1に付けられた「VB」は架空の元素名!?
11月に入り、初めてSlow Ringでの20H1のプレビュービルドが公開された。その後のBild 19033では、デスクトップ右下のウォーターマークが消え、VB_RELEASEブランチからのリリースが始まった。また、このビルドはSlow Ringでも同時に配布された。
マイクロソフトのブログによれば、20H1のプレビューは今後Slow Ringとなり、First RingではRS_PRELEASEブランチからのビルドの配布が開始されるという。これは、おそらく21H1となるビルドなのだと思われる。
このため、20H1のプレビューを続けたい場合には、Slow Ringへと移行しなければならないらしい。とすると、20H1はそろそろ大詰めを迎えたことになる。実際、20H1のプレビューに関するブログでは11月に入ってからは新機能の記述がないままだ。
また、Build 19033のバージョン表示(WinVer.exeなど)やマイクロソフトのブログの記述などから、20H1のバージョン番号は「2004」となることが確定した。マイクロソフトによれば、Windows Server 2003などとの混同を避けるため、Ver.2004としたという。
また、ビルドブランチ名がVS_RELEASEとなることから、「VB」が20H1の開発コード名を表す略号だという話がある。これまでリリース直前には、RS5_RELEASEや19H1_RELEASEといったビルドブランチ名が使われてきたからだ。このビルドブランチ名は、以下のWindowsのレジストリで取得することが可能だ。
\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\BuildBranch
現在の20H1でこの値を見ると「vb_release」となっている。また、19H2のBuildBranchは、19H1_releaseのままになっている。開発上は、19H2は19H1の延長上にあり、まさにマイナーバージョンアップであることがわかる。
VBの意味についてはいろいろと“ウワサ”はあるものの、ハッキリとしたことはわからない。ただ、Windowsのカーネルなどを開発する「コア」チームは、Windows Azureの開発部門に取り込まれ、ここで開発したコアを使って、WindowsクライアントチームがWindows 10として開発するらしい。
そしてWindows Azureの開発部門は、開発コード名として元素名を周期律表に従って使っているという。VBについては、クロム(Chromium)となる予定だったが、Googleのプロジェクトと被るため、Vibraniumという仮想の元素名が採用されたという話だ。また、コアチームがAzureチームに入ったことで、Windows 10のリリースもAzure同様に6月と12月になるという話もある。だが、事前の予告もなく、リリーススケジュールを変更するのはどうかと思う。
それに現在Azureのリリースが6月と12月になっているのは、3月、9月に完成したWindowsコアから、Azureのリリースを開発している時間を考えれば不自然でもない。さて、本当のところはどうだろうか。

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