Itaniumをインテルと共同開発
問題はサーバーである。HPはやっとこの頃、一部の組み込み系を除くとHP 9000シリーズでラインナップをそろえたところであるが、肝心のPA-RISCの性能が伸び悩んだ、という話は連載345回で触れた通りである。
HPの自社工場は0.5μmで打ち止めで、これ以降の微細化に関してはインテルやIBMの工場を使うとなると、どうしてもインテルやIBMと勝負するのは難しい。
それもあって1994年からItaniumの共同開発を始めることになり、ただしItaniumはベタ遅れとなり、Mercedは2001年にやっと出荷を開始するものの商用として発売はせず、結局2002年のMcKinleyことItanium 2でやっと商用出荷が始まった形だ。
このMcKinleyの出荷にあわせて、HP-9000シリーズもItanium 2への移行をスタートする。といっても2005年まではPA-RISCの微細化による高速化は続いたので、この間はPA-RISCとItanium 2の両バージョンが存在したことになる。
問題は旧DECのAlpha Serverと、旧TandemのNonStop系列である。まずTandemのNonStop系列は、MIPSのハイエンドコアの開発が止まり(これは主にMIPS Computer側の事情である)、ところが同社はx86に移行する余力がないことでCOMPAQに買収された。
一方のDECは、Alpha CPUを自社工場で製造していたものの、その自社工場の微細化のスピードが他社に追い付かず、結局性能面で競合できなくなったことが大きい(そもそもAlpha CPUの投入が遅かったという話もある)。
致命的なのは、この2社の製品ポートフォリオやサービス類が、COMPAQの中でも統合されきれていなかったことだ。COMPAQがDECを買収した時点では、まだ「PCはCOMPAQ、サーバーはDEC」みたいな切り分けが可能だったが、ここにTandemが加わった時点でほぼ整理が不可能になった。
さてHPはこれをどう見たかというと、「全部Itanium 2でやればいいじゃないか」という発想である。Tandemはもともとアーキテクチャーを変更する前提だったし、DECのラインナップもAlpha CPUベースでの継続ではありえなかったから、どのみちアーキテクチャーを入れ替える必要があった。
もちろんそうなるとOSレベルからいろいろと書き換えになるわけだが、そもそもDECもVAX→Alphaで一度アーキテクチャー変更をやっているので、もう一度やればいいだけの話である。
わりと乱暴な話に見えるが、世の中には68K→PowerPC→x86と来て、次にArmへの移行が噂されているAppleのような実例もあるわけで、まるっきり無茶というわけでもない。実際Itanium 2でなければ、これはうまく行ったんじゃないかという気がする。(続く)

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