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最新パーツ性能チェック 第274回

GeForce GTX 1660とGTX 1650と比較

GeForce GTX 1650 SUPER、Turing GTXラストピースの実力を検証

2019年11月23日 19時45分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトライッペイ/ASCII

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GTX 1660&1650と性能を比較してみる

 GTX 1650 SUPERの検証に入る前に今回の検証環境を紹介しよう。今回は時間との勝負であったため、GTX 1650 SUPERの上と下、すなわちGTX 1660とGTX 1650との比較にとどめた。GTX 1650 SUPERにはレビュー用ドライバーの用意がなかったため、販売解禁後に配布されたドライバーを使用している。

 今回のGTX 1650 SUPER対応ドライバーは441.20だが、GTX 1650 SUPER登場寸前のドライバーからバージョン番号が更新されないという、あまり熱意の見られないリリースとなっているのは残念だ。今回のテスト環境は、すべて同じ441.20-rpドライバーで検証している。また、OSは最近配信が開始されたWindows 10 November 2019 Update環境とした。

検証環境
CPU Intel「Core i9-9900K」(8C/16T、3.6~5GHz)
CPUクーラー NZXT「Kraken X72」(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード GIGABYTE「Z390 AORUS MASTER」(Intel Z390)
メモリー G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C14D-16GTZR」×2(DDR4-3200 8GB×4、DDR4-2666で運用)
グラフィックス ASUS「PH-GTX1660-O6G」(GeForce GTX 1660)、ASUS「PH-GTX1650S-O4G」(GeForce GTX 1650 SUPER)、ASUS「PH-GTX1650-O4G」(GeForce GTX 1650)
ストレージ Western Digital「WD Black NVMe WDS100T2X0C」(NVMe M.2、1TB SSD、システムドライブ運用)、Intel「SSD 660p SSDPEKNW020T8X1」(NVMe M.2、2TB SSD、データドライブ運用)
電源ユニット SilverStone「SST-ST85F-PT」(850W、80 PLUS PLATINUM)
OS Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」(November 2019 Update)

GTX 1650 SUPERに対応した441.20ドライバーはファイル名末尾に「-rp」が付き、ファイルサイズもわずかに変化している。22日23時以降にダウンロードしたファイルでも、-rp付きでなければ使えなかった。ただし、今後リリースされるドライバーでは-rp付きは不要となる

CUDAコア数&メモリー帯域の増加が性能向上とほぼリンク

 では、定例となるが「3DMark」のスコアーでだいたいの傾向をチェックしよう。前述の通り、GTX 1650 SUPERはVRAM搭載量の関係からDXRに対応しないので、「Port Royal」はテストから除外した。

「3DMark」のスコアー

 GTX 1660 SUPERのレビュー時は、GTX 1660 SUPER≒GTX 1660 Tiであったことに驚かされたが、今回のGTX 1650 SUPERはGTX 1660と1650の中間からややGTX 1660寄りに着地しているように見える。最も描画負荷が軽い「Fire Strike」だけはGTX 1660にかなり近い性能で、GTX 1660と1650 SUPERの差は5%程度しかない。しかし、他のテストではGTX 1660の15~23%下といったところで落ち着いた。GTX 1650に対しては最大41%のゲインとなっており、おおよそCUDAコアやメモリー帯域の増分に見合った性能向上を果たしたと言える。

 次は消費電力を検証する。電力計はラトックシステムの「REX-BTWATTCH1」を利用し、システム全体の消費電力を計測した。「システム全体 - アイドル時」は起動10分後の安定値で、「システム全体 - 高負荷時」が3DMarkの「Time Spy」デモ実行中の最大値となる。また、「Frameview」を利用し、Time Spyデモ中におけるTGP(Total Graphics Power:カード全体の消費電力)の最大及び平均値も比較してみたい。

消費電力の比較

 アイドル時のシステム全体の消費電力はほぼ横並びだが、それ以外はすべて性能の序列に応じた消費電力となっている。Core i9-9900Kと合わせて180W程度なので、重量級のゲームでも200W程度だろう。電源ユニットと電気代に優しいビデオカードと言える。

 続いては「VRMark」のスコアーを見てみよう。

「VRMark」のスコアー

 GTX 1650 SUPERはGTX 1660に対して10~15%程度下、GTX 1650に対しては40%程度上だった。ややGTX 1660寄りだが、CUDAコア数の差が大きいため、GTX 1660にはキッチリと差を付けられている、という感じだ。GTX 1650 SUPERとGTX 1660 Tiの接戦ぶりを考えると、ドミナンス戦略の駒としてはGTX 1650 SUPERは非常に良いポジションを専有していると言える。

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