充実したインターフェースと打鍵感の良さが魅力

VAIO SX12は性能面にもこだわりがある至高のモバイルノートだ

文●宮里 圭介 編集●北村/ASCII

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日々の生活を充実させるモダンPCとは?

 モダンPCとは、マイクロソフトが提唱する、スタイリッシュさと使い勝手のよさを両立したモバイルノートパソコンで以下のような特徴がある。

・SSD/eMMC搭載で処理が高速なのに加え、指紋認証やWindows Helloでの顔認証で簡単・安心ログインが可能。起動を高速化する「高速スタートアップ」も搭載
・薄くて軽いボディーで、外出先にも気軽に持っていける
・タッチ操作対応の2 in 1タイプで、ノートパソコンだけでなくタブレットとしても使用できる
・Microsoft Office搭載で日々の仕事を快適にこなせる

 Windows 7のサポート終了が迫る中、日々の生活をモダンPCでより充実・快適にしてみてはいかがだろうか。

実用面・機能面で非常に優れたモバイルノートとなるVAIO SX12。重量も約888gと軽く、持ち歩きに最適な1台だ

 12.5型液晶搭載のVAIO SX12は、他社の主力モバイルノートと比べて一回り小さいながら、打鍵感を重視したキーボード、多数のインターフェース、そして生体認証に使える指紋センサーを備えるなど、実用面・機能面が充実した薄型軽量モバイルだ。

 今回は性能面として、主にCPUとストレージの性能をチェックしていこう。試用したモデル(VJS12190211T)の主な仕様は、CPUがCore i7-8565U(4コア、1.8GHz)、メモリーが8GB、ストレージがPCIe接続の約256GB SSD、ディスプレーが12.5型(1920×1080ドット)、バッテリー駆動時間が約13.7時間などだ。

「CPU-Z」でのステータス

ベンチマークソフトを使って性能をチェック

 VAIO SX12の基本的な性能を見るため、まず試したのが「PCMARK 10」だ。構成パーツ個別の性能ではなく、目的ごとの総合性能を知ることができるベンチマークソフトで、大きく「Essentials」、「Productivity」、「Digital Content Creation」という3つの性能がスコア化される。このスコアをひとつずつ見ていこう。

「PCMARK 10」の結果がこちら。総合スコアは4035、「Essentials」が8462、「Productivity」が6836、「Digital Content Creation」が3084という結果になっていた

 「Essentials」はソフトの起動やビデオチャット、ブラウザーといった一般用途を中心としたテスト。このスコアは8462とモバイルPCとしては高い方で、薄型軽量だからといっても一般的なノートPCと比べても見劣りしない。

 「Productivity」は、表計算やワープロなどのいわゆるオフィスソフトの性能チェックに使われるもの。CPUに高速なCore i7-8565Uを搭載していることもあり、こちらも文句ない性能だ。

 最後の「Digital Content Creation」はやや特殊で、写真編集や動画エンコードといったクリエイティブ用途での性能となる。さすがにこういった用途はモバイルノートが不得意とする分野だが、まったくできないわけではない。少々時間はかかってしまうが、ちょっとしたRAW現像や写真の編集くらいならこなせるだけの実力はある。

 続いて、CGレンダリング速度からCPU性能を測る「CINEBENCH R20」を使い、CPU性能を見てみよう。

「CINEBENCH R20」のスコアは、すべてのコアを使う「CPU」が1472pts、1つのコアしか使わない「CPU(Single Core)」が419ptsという結果になった

 VAIO SX12が搭載するCore i7-8565Uは、4コア8スレッドとなるCPUだ。単純に考えれば、すべてのコアを使ったスコアは1つのコアしか使わないスコアの4~8倍になる……と考えてしまうが、これは少し違う。発熱や消費電力、電力効率を考慮し、コアの使用数が少ないときは高クロックで動かし、多くのコアを使う時は動作クロックを下げて使うというのが一般的だからだ。

 また、通常CPUは負荷が高くなると高クロックとなり、なるべく速く処理を終わらせようとするが、このままの状態が続いてしまうと、熱により動作が不安定になってしまう。そのため、ある程度高クロックで動作した後は少しクロックを落とし、持続可能なパフォーマンスを維持するという制御が行なわれる。

 実は、VAIO SX12はCPUの性能を極限まで引き出すため、この制御方法に独自チューニングした「VAIO TruePerformance」を採用している。

 より長く高クロック状態を維持できるほか、持続可能なパフォーマンス時のクロックも高めに設定されている。もちろんこの設定ができるということは、それだけ強力な冷却性能が搭載されていることの証左でもある。

 このようなチューニングにより、VAIO SX12はCINEBENCH R20のCPUスコアで1472ptsという高い値を実現しているわけだ。ちなみに、同クラスのCPUを搭載する薄型モバイルノートのスコアは機種によって大きく違うものの、およそ1200~1450ptsあたりとなるため、いかにVAIO SX12の性能が高いのかがわかるだろう。

 体感速度に大きく影響するのが、ストレージ性能。VAIO SX12ではSSDの中でも高速なPCIe接続のものが採用されているため、この点もぬかりない。ストレージ性能を検証できる「CrystalDiskMark 7.0.0」を使い、この性能を見てみよう。

シーケンシャル性能が高いのはもちろんだが、ランダム性能も非常に高いSSDを搭載している

 結果は見ての通りで、シーケンシャルリードでは毎秒約3300MB、ライトでも毎秒約1700MBと非常に高速で、ストレスなく使えることがわかる。もちろんランダム性能も高いので、巨大なファイルのコピーからソフトの起動、そして小さな多数のファイル移動なども快適に行なえるはずだ。

ちなみに前バージョンの「CrystalDiskMark 6.0.2」でのスコアはこちら

使いやすさ支える工夫が随所に見られる本体デザイン

 直接性能とは関わらない部分なのだが、使うと実感できるのが、液晶部のデザイン。液晶を開くと本体が持ち上がり、自然とキーボードに角度が付くようになっているのだ。これにより打鍵しやすくなるだけでなく、ノートの底面にたまりやすい熱を逃がせるようになっているのがありがたい。

液晶を開くと本体の奥が持ち上がり、キーボードが使いやすい角度となる。また、底面が浮くことで、熱が溜まりにくくなる

 もうひとつよく考えられていると思ったのが、本体底面の手前と置くの両方共が大きくえぐられていることだ。これにより液晶部に指が引っかかりやすく、無理なく開けられるようになっている。

 また、机の上からVAIO SX12を持ち上げるときにも指が底面に入りやすく、つかみ損ねて落としてしまう……といった事故も防げる。こういった細かな部分までしっかりと考えて作られている点に感心してしまった。

側面から見るとよくわかるが、手前、奥とも角度がつき、隙間がある。この隙間に指が入るため、液晶の開閉、本体の上げ下ろしがしやすくなっている

 スペックばかりが重視されがちなPC選びだが、とくにモバイルノートは常時持ち歩き、利用頻度が高い製品となるだけに、ちょっとした不満が後々までの後悔になってしまう。性能はもちろんのこと、機能や実用面まで満足できるものを選びたいというのであれば、「VAIO SX12」はいい選択肢となってくれるだろう。

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