最新パーツ性能チェック 第271回
NULLことNVIDIA Ultra Low Latencyの効果をFPSタイトルで解析
Apex LegendsとR6SでGeForceの超低遅延モードを地獄の100本ノック検証
2019年11月10日 20時00分更新
ヒストグラム(度数分布表)でもNULL“Ultra”の効果を確認
NULLを“Ultra”にすることで、インプットラグは劇的に短くなるのがヒストグラム上で確認できた。そして、これらのデータを箱ひげ図にしたものが下のグラフだ。見方については検索することをオススメするが、縦に2つ並んだ箱2つの区間に全体の50%のデータが入り、上下に伸びるひげに残り25%ずつのデータが入る。箱やひげが上下に短いほど“中心的なデータが狭い範囲に分布している”ことを示す。グラフは縦軸がインプットラグなので、低いところにある条件ほど優秀ということになる。
明らかにNULL“Ultra”設定時だけ飛び抜けてインプットラグが短く、さらに下のひげから箱の上部まで(75%のデータが収まっている範囲)はどの条件より短い。もうこれで「効果アリ」で〆てもいい気がするが、他の条件はデフォルト時に比べ違いがあるのか、も含めて統計的に検証してみたい。
今回も格ゲー編と同様にt検定を使って、デフォルト時と統計的に有意な差があるのかを検証する。有意水準p=5%(0.05)とし、t検定で算出されたp値(下表の「p(T<=t)両側」)が0.025(5%の2分の1)より小さい場合は、デフォルト時とは明らかに違うデータが得られた、という意味になる。
算出された「p(T<=t)両側」が0.025を下回る、つまり「統計的に見て偶然得られたとは言えない」ほどの差がついた条件は、V-Syncオン時とNULL“Ultra”時の2つ。つまり、V-Syncをオンにするとインプットラグが増えたのは偶然でなく、NULL“Ultra”については箱ひげ図で見た通り、文句なしにお墨付きが出せる結果だ、ということになる。NULL“Ultra”の「p(T<=t)両側」は小さすぎて指数表記になってしまったが、これを小数に直すと「0.000000000000000000000000000000000000000000451」となる。
そして、G-SYNCオン時とNULL“On”時に関しては、箱ひげ図やヒストグラムでは何か効果が出たように見えるが、統計的には効果アリと支持するには至らない、ということになる。Apex Legendsをプレイするなら、NULLは“Ultra”一択ということになる。
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