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業界人の《ことば》から 第366回

粗が多いAIの課題を解決する富士通の2つの新技術

2019年11月06日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集● ASCII

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AIに対する倫理にも取り組む姿勢

 世界的な流れとして、AIに対する説明責任や倫理が重視されており、富士通の取り組みもその流れに合致したものといえる。

 富士通研究所も創設メンバーの1社として参加したAI4Peopleが、2018年11月に、欧州委員会のAI倫理ガイドラインをベースに、AI倫理5原則を発表。富士通もこれを受けて、2019年3月に、富士通グループAIコミットメントを発表している。

 富士通グループAIコミットメントでは、「AIによってお客様と社会に価値を提供します」「人を中心に考えたAIを目指します」「AIで持続可能な社会を目指します」「人の意思決定を尊重し支援するAIを目指します」「企業の社会的責任としてAIの透明性と説明責任を重視します」という5か条を制定。

 「富士通がどのようなスタンスで、AIに取り組むかをまとめたのがAIコミットメント。示しているのはシンプルな内容だが、AIに取り組む上では意識しなくてはならないことばかりである。これによって、人間社会が求める信頼に応えることができる」(富士通研究所の原社長)とする。

 また、富士通グループAI倫理外部委員会を設置し、多様な分野のスペシャリストが参加。客観的な意見や考え方を、富士通グループのAI倫理指針にフィードバックする役割を果たすという。すでに第1回会合を開催したところだ。

 富士通は、AIに関して30年以上にわたって研究してきた経験がある。そして、国内におけるAI特許出願数では2位であり、同社のAIであるZinraiも、さまざまな領域で利用されている。AIとコンピューティングのリーダーでもある富士通は、AIに対する姿勢を明確にすることで、この分野のリーダーとしての存在感をより高めようとしている。

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