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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第532回

大幅に価格を下げたCascade Lake インテル CPUロードマップ

2019年10月14日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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7nmはインテルいわく順調
では10nmは?

 最後がプロセスの話だ。インテルは10月4日にManufacturing Dayを開催、同社がアリゾナに建造中のFab 42のプレビューを公開した。Fab 42は7nmプロセスのために建設中のもので、2020年に操業開始予定である。

 もっとも現状は建物がほぼ完成して、製造装置を運び込んでいるという段階であり、ここで装置の設置と調整が終わり、実際にウェハーの製造が開始できるのは2020年末~2021年初頭ということになるだろう。

 先の動画ではまだFab 42の建屋が建設中の映像(43秒あたり)が含まれているが、Google Mapで見ると、Fab 42(Mapの中では“OC-21(FSB)”と記された建物)はすでに建設が完了しており、現在は装置の設置と調整作業をしていると考えられる。

 Manufactureing Dayと言いつつも、実際にはFab 42がいかに環境にやさしいかの説明がメインであって、肝心の7nmプロセスがどうなのか、という話が皆無だったりするのだが、こちらはおいておくとして、問題はインテルが言わないことである。

 まず10nm、連載525回にも書いたが、現在のIce Lakeと、先日発表されたSurface向けに採用が決まったLakefield、現時点ではまだリリースされていないが、サーバー向けとなるIceLake-SP、そして最終的に製品になるかどうかわからない第1世代のXeベースカード(*)、というあたりが主な10nm+世代の製品として予定されている。

(*) Xeの設計者であるRaja Koduri氏が10月4日にTwitterに投稿したメンションを見ると、2020年6月になにかが登場することを示唆しており、あるいはこれが第1世代のXeベースカードの可能性もある。もっとも、かつてのKnight Ferry同様に、ソフトウェア開発者向けプラットフォームとしての提供だけの可能性もあるからまだ油断はできないのだが。

 一応インテルは引き続き10nm++の開発も行なっているが、これはどちらかといえばバックアッププランに近い。

 なんのバックアップかといえば、7nmの立ち上がりが遅かった場合に備えたもので、逆に言えばインテルは現在7nm世代の製品を大至急立ち上げることで、2021年にTSMCやSamsungに追いつく(つまりそれまでは14nmと10nmで耐え忍ぶ)という戦略に完全に切り替わった。要するに10nm世代は見切りをつけられた格好である。

 では7nmは順調なのかというと、少なくともEUV(極端紫外線)を使うことそのものについては、大きな障害はないらしい。細かい問題はいろいろ出ているらしいが、それは解決不可能なほど大きな問題ではないとのこと。

 問題は相変わらずジオメトリである。Metal PitchやGate Pitchに関し、以前インテルは非常にアグレッシブな数字を出していた。これはハイパースケーリングを標榜していた時代の話である。

 もしこの数字が今も生きていたとしたら、7nm世代の製造は非常に困難だろう。たださすがにこの2年の間に、ハイパースケーリングに基づく微細化は無茶すぎるという認識がインテル社内でもきちんと広まったようで、これの見直しがなされて、現実的な数字に置き換わっていれば、立ち上がりは悪くないことが期待される。

 こう「ふんわり」した表現なのは、現状EUVに関しては試作ラインの上のTest Vehicleという製造装置の調整のために流す、実際のシリコンとはまるで無関係な試作品の結果すら聞こえてこないためだ。

 ただパートナー企業などから「ヤバいんじゃないかしら」的な話も聞こえてこないあたりは、まだ予定通りかつ品質なども想定範囲内、という推定ができるという以上の話ではないためだ。

 このまま無事に7nmの量産にこぎつけてほしいところであるが、それにしても来年はCooper LakeやComet Lake、Ice Lake-SPなどがあるにしても、大きな進歩が見込める製品はお目にかかれそうにないのは残念である。

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