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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第523回

第2世代EPYCは性能/消費電力比が大幅に改善 AMD CPUロードマップ

2019年08月12日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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第3世代Ryzenで無効化されている機能が
第2世代EPYCでは有効化される

 ところで初代のEPYCもやはり初代のRyzenでは無効化されていたさまざまな機能が有効化されたのと同じように、Ryzen 3000シリーズでは無効化されている機能が第2世代EPYCでは有効化されている。

このダイ写真はZenベースですらなく、おそらくMerlin Falconか何かのものと思われる

 まずはSecurity Processor。第2世代EPYC、というかおそらくはI/Oチップレットの側だと思われるが、ArmのCortex-A5がRoot of Trustとして搭載されているのは従来と同じである。

 おそらくRyzen向けのI/Oチップレットにも同じくCortex-A5ベースのSecurity Domainが用意されていると思われるが、これが有効にされるのは将来のRyzen Pro向け製品ということになるだろう。

 さて、これとは別に従来からMemory Encryption Optionが提供されており、これは今回の第2世代EPYCでも同じなのだが、暗号化技法そのものはAES-128で差がないものの、暗号化キーが従来の15種類からなんと509種類まで増えることになった。

どこからこの509という数字が出てきたのかはさっぱり不明。512種類のキーが利用可能で、ただしうち3つはシステムで使っているから、というあたりだろうか?(キーのIDが9bitというのはややしっくりこない)

 たとえばVMを複数動かしている環境で、VMごとに暗号化キーを変えたいなんてニーズがあっても、従来だとキーが足りないのでどうしても複数のVMでキーを共有するしかなかったのだが、これが大幅に改善されたことになる。

 これを利用したSME(Secure Memory Encryption)やSEV(Secure Encypted Virtualization)は従来からある機能そのままであるが、細かく改良が施されている。

SMEの機能そのものは従来と変わらず。キーの数が増えたのが変更点だ

SEVを明示的に指定しないゲストVMであっても、勝手に暗号化してくれるVirtual-transparent-encryptionの機能が新たに追加された

 これらの機能とOSの対応をまとめたのが下の画像で、Linux系への対応はほぼ終わっていることが明らかにされた。

基本的に初代EPYCで対応への対応が済んでいるOSは第2世代EPYCでもそのまま利用可能である

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