このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 次へ

第2世代Ryzen Mobile+RX 560X搭載で10万切りなASUSゲーミングノートPCの実力とは?

2019年08月15日 11時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●高橋佑司

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

性能は控えめだが、軽めのゲーミングには最適な印象

 では簡単ではあるが、FX505DYのパフォーマンスをチェックしてみよう。長年AMD製モバイルCPUがフォーカスされなかったのはCPUパワーの弱さによるところが大きいが、FX505DYに搭載されているZen+世代のRyzen Mobileはどうなのだろうか?

「CINEBENCH R15」のスコアーをチェックするが、比較対象がないと良し悪し掴みづらいため、デスクトップ用の「Ryzen 5 2400G」や2011年の人気CPU「Core i7-2600」の過去データを参考までに掲載してみた。メモリーやOSのビルドが微妙に違うので、あくまで参考値として見ていただきたい。

「CINEBENCH R15」のスコアー

 Ryzen MobileではCPUやメモリーのクロックが控えめになっているせいか、デスクトップ向けのRyzen Gシリーズ(Zen世代)よりもやや下程度の性能になっているが、逆に言えばRyzen Gシリーズと同等のパフォーマンスがノートPCになっている、という点は驚きだ。

 さらに、今まだ現役で使うユーザー数も多いとされるCore i7-2600よりもシングルスレッドもマルチスレッド性能も勝っている点にも目を向けておきたい。8年前のCPUに最新CPUが勝つのは当たり前の話ともいえるが、AMDのモバイル向けCPUもかなり良い仕上がりになったといえるだろう。

 続いては総合的なパオフォーマンスを見る「PCMark10」を試す。ここでは前述の「AMD Display Optimizaion」を利用してCPU内蔵のVega 8だけを使った時と、dGPUであるRX 560Xも活用した時にどの程度違いが出るかを見る。テストは全テストグループを実行する“Extended Test”を実施した。

「PCMark10」Extended Testにおける総合スコアー(Overall)と各テストグループの総合スコアー
「PCMark10」Extended TestにおけるEssentialテストグループのスコアー
「PCMark10」Extended TestにおけるProductivityテストグループのスコアー
「PCMark10」Extended TestにおけるDigital Contents Creationテストグループのスコアー
「PCMark10」Extended TestにおけるGamingテストグループのスコアー

 まず総合(Overall)スコアーを見ると、RX 560Xを使った時の方がスコアーが高くなる。そのスコアーの源泉はどこにあるのかというと、ほぼGamingテストグループのスコアーアップで稼いでいる状態。EssentialsやDCC(Digital Contents Creation)テストグループでもRX 560Xを使った方がスコアーが伸びているが、誤差程度の差にとどまっている。

 PCMark10のGamingテストグループの結果で大勢は見えているが、一応「3DMark」でもRX 560XとVega 8のパワー差をチェックしてみる。パフォーマンスがあまり高くないGPUなので、テストは“Fire Strike”“Time Spy”の2つを実施した。

「3DMark」のスコアー

 RX 560Xの描画性能はVega 8の3倍強といったところ。GPUのアーキテクチャー的には内蔵GPUの方が新しいが、やはりCU数の圧倒的な差と4GBの専用VRAMの存在は覆せないようだ。

 ここから少し軽めのゲームを中心にパフォーマンスをチェックしよう。まずは「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」の公式ベンチを使用する。解像度はフルHD固定とし、画質を“最高品質”と“標準品質(ノートPC用)”、つまり一番上と一番下の設定で比較した。すでにVega 8はRX 560Xに比べかなり遅いことがわかったので、RX 560Xでのみチェックしている。

「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」公式ベンチにおけるスコアー
「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」公式ベンチのフレームレート

 RX 560XはミドルクラスGPUの中でもエントリー向けGPUに近いポジションにいるため、画質を抑えないとフレームレートの確保は難しい。とはいえフルHDで平均60fpsを超えられる点は好印象だ。

 続いては「Apex Legends」だ。画質はラグドール以外の各項目を一番重くした設定(最高設定)と、一番軽くした設定(最低設定)で比較する。トレーニングステージにおける一定のコースを移動した際のフレームレートを「OCAT」で測定した。

「Apex Legends」のフレームレート

 Apex Legendsの場合は画質を下げてもフレームレートはあまり伸びない。とはいえ画質を落とせば平均60fps以上で遊べる力は持っている。

 もうひとつ「Fortnite」でも試してみよう。画質は“エピック”および“中”設定とし、それぞれ解像度はフルHD等倍設定とした。クリエイティブモードでデフォルトの島を移動した時のフレームレートを「OCAT」で測定する。

「Fortnite」のフレームレート

 搭載している液晶のリフレッシュレートが60Hzなのだから、中設定で遊ぶなら十分な描画性能を備えているといえる。最低fpsの1パーセンタイル点が40fpsを切っているため、フレームレートが一瞬だけ落ち込むシーンではFreeSyncが効かなくなるが、ほとんどのシーンにおいてFreeSyncが効力を発揮する(最低fpsの5パーセンタイル点は56fps)。

 ゲーム以外の用途として、動画エンコードを「Handbrake」で試してみた。再生時間約5分の4K動画をインポートし、プリセットの「SuperHQ 1080p Surround」でフルHDのMP4形式エンコードする時間を計測する。コーデックはSuperHQ 1080p SurroundデフォルトのH.264のほか、H.265も追加。さらにGPU内のハードウェアエンコーダー「VCE」を利用する処理でもそれぞれ比較した。ビットレート等のパラメーターはデフォルト設定のままとなる。

「Handbrake」のエンコード時間

 CPUが4コア8スレッドなので、デスクトップ用Ryzenのような速さはない。FX505DYの場合はCPUのみでエンコードしようとせず、素直にVCEの力を得た方が現実的な時間でエンコードできるだろう。

 最後に搭載されているSSDのパフォーマンスを「CrystalDiskMark」でチェックした。

「CrystalDiskMark」による読み書き性能

 前述の通りFX505DYのストレージはNVMe SSDだが接続バスがPCI-Express 3.0 x2であるため、読み書き性能は本来の半分程度しか出せていない。ただSATAのSSDに比べるとシーケンシャルリード比で3倍は速いので、特にファイルコピー操作等で遅さを感じることはない

まとめ:ノートPCでもAMDの実力は確実に上昇。低予算ノーととしては優秀

 以上でFX505DYのレビューは終了だ。GPUの切り替え機能周りにまだ使いにくさを感じるものの、ライトゲーミングノートとしては良くまとまっている。dGPUとして搭載されているRX 560Xは最新ゲームを高画質で遊びたい人にはやや不向きであるが、FreeSync液晶の存在によって低fpsでも比較的見やすい画面を提供してくれる。ゲーミングPCは欲しいが予算が……という人はFX505DYをチョイスしてはどうだろうか。

 そして本機のレビューを通じて感じたのは、AMD製モバイルCPUもかなり良好な仕上がりになっているということだ。まだRyzen本来の強みである“低価格でメニーコア”の領域に踏み込んだ製品は出せていないが、バリューゾーンのノートPCはAMD製CPUを搭載したモデルでも全く問題ない。今後のAMD製CPUを搭載したノートPCの登場が楽しみだ。

前へ 1 2 3 4 5 次へ

カテゴリートップへ