●10億ドルで買ったのは「交渉の切り札」か
そう考えると、仮にアップルでも、自社でモデムチップを開発できても、クアルコムに対抗できるだけの省電力設計や安定した通信品質を確保できるかは、かなり怪しいと言わざるを得ない。
ただ、一方で、アップルが自社で開発し、製品化できなくても、何ら問題はないのかもしれないという考え方もできる。
クアルコムに対して「うちは自社で開発できる体制がありますよ」とアピールするだけで、クアルコムとの交渉において、少なくとも一方的に高価な金額をふっかけられることはないはずだ。
製品化の可否には関係なく、交渉の切り札があるとないとでは大違いなはずだ。
そう考えれば、アップルとしては5Gモデムチップの内製化を焦る必要はない。クアルコムを調子に乗せず、交渉を対等に持っていくための「10億ドル」と割り切れるのではないだろうか。

この連載の記事
-
第271回
AI
「石川さんに3000円振り込んで」住信SBIネット銀、AIに頼むだけの新サービス開始へ -
第270回
トピックス
楽天モバイル、黒字化の裏で不満噴出 通信設備に“2兆円投資”必要か -
第269回
トピックス
通信費が0円に? 楽天がモバイルWi-Fiをバラまく本当の狙い -
第268回
トピックス
mineoが“フルMVNO”に挑む理由 格安スマホ市場の変化が背景に -
第267回
トピックス
菅元首相に“ハシゴを外された”楽天モバイルの踏ん張りに期待 -
第266回
トピックス
スマホ値上げの足音 実質1.6万円のNothing Phoneが“最後の良心”に? -
第265回
トピックス
アップル巧妙な新手数料 スマホ法“肩透かし”で終わる可能性 -
第264回
トピックス
KDDI×ローソンが挑む“ニュータウン再生” 住民は不安も、採算に自信 -
第263回
トピックス
「アクセシビリティは“人権”」アップルが40年間続ける取り組みとは -
第262回
トピックス
ソフトバンクとKDDIが“空の救助網” 雪山遭難、ドローンで発見 -
第261回
トピックス
スマホ5G“ミリ波”肩透かし 6Gは“センチメートル波”が鍵に - この連載の一覧へ











