ヒトと車両の関係を変える新世代規格
スマホと車・バイクを「便利なまま」つなげるSDLって知ってる?
2019年08月09日 11時00分更新
クルマとスマホをつなぐ規格である「SDL」。賞金総額100万円の大規模なアプリコンテスト「SDLアプリコンテスト2019」が今年も開催されるが、実はSDL対応アプリを作るのは、それほど難しいことではない。
極めて簡単で、1行もプログラムを書いたことがない人でも楽勝!
――とまでは言えないが、本連載ではこれから、SDLとはどういったものなのか、対応アプリはどうやって作ればいいのかを解説する。そのなかで、基本的な要素のサンプルコードは掲載していくので、それらを参考に(もっと言えばコピペ)しつつ、ぜひ自分の思い付いたアイデアを実現していただきたい。

SDLの開発キット(矢印)を、実際に愛車に実装して試してみる九州産業大学理工学部の合志和晃教授
車載機器とスマホを連携するSDLの基礎知識を公開
アプリ開発コンテストなども開催され、「SDL」という語も、最近では徐々に市民権を得はじめている。ただし、たった3文字の略語なので、ここで取り上げるSDLとは違うSDLを連想する人もいるかもしれない。本記事で解説するSDLは、「Smart Device Link」の略。日本語に直訳すれば、「スマートな機器接続」ということになる。と無理に訳してみても、それだけでは何のことかわからないだろう。
このSDLが活躍する場は、車の中やバイクの上と言えば、かなりイメージが絞り込まれてくるはず。SDLは、主に車とスマホの連携動作を狙ったものなのだ。SDLが想定するスマートデバイスは、スマホだけではなく、それと接続し、連携して動作する車側の機器も含んでいる。スマホを持って車に乗り込んだり、バイクにまたがれば、スマホと車載器が通信して、新たな環境で動作を始める。
つまりSDLは、車の中やバイクの上でスマホを安全に、かつ効果的に利用するための仕組み、それを実現するための規格のことだ(図1)。

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