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業界人の《ことば》から 第352回

日本企業のマルチクラウド化は欧米と同じ失敗をしなくて済む

2019年07月24日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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VMwareのクラウド戦略を支持したマルチクラウドの構築

 また、ハイパーコンバージドインフラのVxRailとVMware Cloud Foundationを組み合わせた「VCF on VxRail」は、VCFで提供されるSDDC Managerが、VMwareのソフトウェアの初期設定環境の構築と、運用を自動化するとともに、最適化を実現する。素早くマルチクラウドへ移行できるのが特徴。

 ここでは、SDDC ManagerがVMwareを自動的にアップデート。運用負荷を下げ、常に最新のセキュリティーパッチを当てることができる。煩雑なインフラ管理から解放され、ユーザーはビジネスに集中できるようになるというわけだ。

 一方、これまでProject Dimensionと呼んでいたVMware Cloud on Dell EMCでは、「Data Center as a Service」を提供。クラウドインフラを、オンプレミスデータセンター内に設置しながら、マネージドサービスとして展開する。企業のデータセンター内インフラを、ベンダーの管理によって運用できる。

 ハイパーコンバージドインフラのVxRailを採用し、指定されたロケーションにVMware環境を配備。管理者が常駐できないロケーションでも、遠隔地から、ほかのクラウドサービスとともに、一元管理が可能だ。これは、ウェブを通じて注文し、数週間後に稼働させることができる仕組みを採用している。

 さらに、「Azure VMware Solution」はVMware SDDCインフラをMicrosoft Azureとして提供するサービスであり、マルチクラウドの実現において、新たにMicrosoft Azureを加えることができる。すでに、CloudSimpleが北米で提供。2019年後半以降に、Virtustreamが提供を開始することになる。

 このように、Dell TechnologiesはVMwareのクラウド戦略を支持し、足並みを揃えることで、オンプレミスとエッジ、そして、AWSとAzureといったパブリッククラウドをシームレスでつないだマルチクラウド環境の構築を支援する考えだ。

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