多数の標準装備ファンによる確かな冷却性能
ミドルクラスのパーツを組み込んで各部の温度を検証したのが下のグラフだ。吸気用に3基のファンを装備していることもあり、CPUやGPUの冷却性能は総合的に優れていると言っていい。
とくにGPU温度は、高負荷時やPCゲームの長時間プレイを想定した3DMark時でも54度とかなり低い。ただ、前述のとおりケースファンは常にフル回転なので、42.5dBとちょっと気になるレベルではある。
テスト環境 | |
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CPU | Intel「Core i5-9600K」 |
マザーボード | ASUS「ROG STRIX Z370-F GAMING」 |
メモリー | CFD販売「Panram W4U2666PS-4GC19」 (PC4-21300 DDR4 SDRAM 4GB×2) |
ビデオカード | ASUS「ROG-STRIX-RTX2060-O6G-GAMING」 (GeForce GTX 2060) |
SSD | Western Digital「WD Blue 3D NAND SATA WDS500G2B0A」 (2.5インチ、500GB) |
電源ユニット | FPS「AURUM92+ PT-550M」 |
CPUクーラー | サイズ「虎徹Mark2」 |
OS | Windows 10(64bit) |
【検証内容】室温:25.1度、アイドル時:OS起動10分後の値、動画再生時:解像度1920×1080ドットの動画ファイルを1時間再生したときの最大値、3DMark時:3DMarkのFire Strike Stress Testを1時間実行したときの最大値、高負荷時:OCCT 5.2.0.4のPOWER SUPPLYテストを10分間実行したときの最大値、CPU温度:使用したソフトはHWMonitor 1.40で、CPUはTemperaturesのPackage、GPUはGPUのTemperaturesの値
組み込みやすくするためのひと工夫に注目
拡張ベイなどの構造物を少なくして干渉を発生しにくくする構造、そして強化ガラスやLEDファンを搭載して「魅せるPC」を作りやすくするというギミックは、最近のPCケースではおなじみのものだ。だからこそ、新製品ではどんなプラスアルファを付け加えるかが重要になってくる。
その点CMT520では、LEDファンのケーブルや電源ユニットエリアの構造を工夫することで、地味ながら多くのユーザーの不満を解消しており、組みやすさに注力したモデルだ。
1万円台半ばというスタンダードモデルながら、合計4基ものLEDファンを搭載しているという買い得感、そして多数のファンによる確かな冷却性能も魅力的であり、多くの人にお勧めできる万能型のPCケースと言える。