今回のことば
「JEITAは、Society 5.0を支える業界団体と言っても過言ではない。このプラットフォームを構築するうえで、なくてはならない企業が集結している」(電子情報技術産業協会の遠藤信博会長)
単一の業界だけ考えるわけにはいかない
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の新会長に、NECの遠藤信博会長が就任した。
就任会見で遠藤会長が強調したのが、JEITAの変革であった。
遠藤会長は、JEITAの源流が1948年に設立した無線通信機械工業会(のちの日本電子機械工業会)であり、2000年11月には、日本電子機械工業会と日本電子工業振興協会の統合によって、電子情報技術産業協会(JEITA)が発足した歴史に触れながら、
「今年はJEITAが発足してから、20年目の節目の年となるが、その間、当業界はまさに激動の時期を過ごした。猛烈なグローバル化とデジタル化の波を受け、変化を余儀なくされた局面もあった。
そして、いまはIoTやビッグデータ、人工知能といった技術の進展によって、産業構造や社会構造そのものが大きく変わりつつある。それにあわせて、業界団体の役割も大きく変った。従来型の産業ごとの垣根は崩れ、もはや単一の業界のことだけを考えて行動する時代ではない」と切り出す。
一方でこうも指摘する。
「業種や業界、地域や国家の枠を超えたデータの利活用には、ルールの策定、標準化などを、従来の枠にとらわれず、スピーディーにならないといけない。そのためには、業界団体も変化していかなければならない」。
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