さとうなおきの「週刊アジュール」 第96回
「Build 2019」アップデート ~アプリ開発編~
App Service on Linuxに期限なく無料で使える「Free料金レベル」
2019年06月07日 10時30分更新
こんにちは、さとうなおきです。2019年5月6日~8日にかけて、米国シアトルでMicrosoftの年次カンファレンス「Microsoft Build 2019」が開催されました。「週刊アジュール」では、Build前週の事前発表、基調講演での発表をまとめた「Build 2019」特別号外に続いて、Build 2019でのAzureアップデートを、インフラ編、アプリ開発編、データ編、AI/IoT編の4回に分けてお伝えします。今回はアプリ開発編です。
Azure App Service:Linuxでの無料レベル、Python、Java 11、LinuxでのVNetサポートなど
Azure App Serviceは、ウェブアプリ、ウェブAPI、モバイルバックエンドをホストするためサービスです。
- App Service on Linuxで、期限なく無料で使えるFree料金レベルが利用可能に
- App Service on Linuxで、Python 7、3.6、2.7のサポートがGAに
- App Service on Linux、WindowsベースのApp Serviceで、Java 11をサポート
- Linux ネイティブの新しいビルドシステムで、JavaScript、Pythonパッケージの依存関係が解決可能になり、カスタムビルドスクリプトを実行可能に
- App Service on Linuxで、Azure Virtual Network(VNet)統合をサポート(プレビュー)
- Azure Portalに、新たに全画面作成エクスペリエンスを追加
詳細は、次のページをご覧ください。
- 更新情報「App Service の Linux ベースのアプリケーションでの永続的な無料サービス レベルの提供」
- 更新情報「Azure App Service (Linux) で Python のサポート提供」
- 更新情報「App Service で Java 11 のサポート (Linux と Windows) を開始」
- 更新情報「App Service Linux の新しいネットワーク機能のプレビュー提供」
- 更新情報「Azure App Service の新しい全画面表示エクスペリエンスが利用可能に」
- ブログポスト「Azure App Service の更新: Linux の Free レベル、Python と Java のサポートなど」
Azure Functions:KEDA、Durable Functionsのステートフルエンティティなど
Azure Functionsは、サーバーレスアーキテクチャのFaaS(関数サービス)です。
Azure DevOpsは、Azure Pipelines(CI/CDパイプライン)、Azure Boards(作業追跡ツール)、Azure Artifacts(パッケージ生成/共有)、Azure Repos(プライベートGitリポジトリ)、Azure Test Plans(テストソリューション)で構成される、開発チーム向けのサービスです。
MicrosoftとRed Hatが、オープンソースのKubernetes-based Event Driven Autoscaling(KEDA)を発表しました。KEDAは、Kubernetes上でイベント駆動型でコンテナーをスケーリングできるコンポーネントです。
Azure Functionsの関数は、Azure Functionsサービス上で実行することに加えて、コンテナーとして実行することも可能です。KEDAを使うことで、Kubernetes上のコンテナーとしてAzure Functionsを実行する際に、Azure Functionsサービス上で実行する場合と同じように、イベント駆動型のスケーリングが可能になります。
Durable Functionsで、Durable Functions 2.0(プレビュー)の一機能として、新しいステートフルエンティティパターンのサポートがプレビューになりました。これによって、IoTデバイスやゲームセッションなどのエンティティにマップされるステートフルな関数の場合、ステートフルエンティティトリガーを使用して、アクターに似た機能をAzure Functions で実現できます。
Azure Functionsで、.NETの依存関係の挿入(依存性注入、DI)がサポートされました。
Azure DevOpsのAzure Pipelinesで、.NET、Node.js、PythonアプリケーションをAzure Functions向けに構成するためのタスクが利用可能になりました。Azure Functionsデプロイタスクが、GAになりました。
- 更新情報「Durable Functions による新しいステートフルなエンティティ パターンのサポート開始」
- ブログポスト「Advancing the developer experience for serverless apps with Azure Functions」
- ブログポスト「Announcing KEDA: bringing event-driven containers and functions to Kubernetes」
Azure API Management:Azure Functions関数の公開、分散トレース
Azure API Managementは、既存のAPIに対するAPIゲートウェイのサービスです。
HTTPトリガーを持つAzure Functionsの関数を、Azure API Managementの新規、または既存APIとして簡単に公開できるようになりました。
Azure MonitorのAzure Application Insightsが持つ分散トレース機能を使って、Azure Functions、Azure API Managementで構築されたアプリケーションの監視が可能になりました。
- 更新情報「新規または既存の API に関数アプリをリンクして API Management 経由で公開する機能が使用可能になりました」
- 更新情報「Functions と API Management を使用して構築されたサーバーレス アプリケーションの改善された分散トレースが利用可能」
- ブログポスト「Advancing the developer experience for serverless apps with Azure Functions」
- ブログポスト「Reshaping the business landscape with serverless APIs」
Azure Logic Apps:インラインコード、SAPコネクタ、RosettaNetコネクタ
Azure Logic Appsは、多数のコネクターを通してビジネスプロセスを自動化するワークフローを開発できる統合プラットフォームサービスです。
Azure Logic Apps内で、JavaScriptでインラインコードを記述、実行できるようになりました。
Azure Logic Appsで、新しいSAPコネクタがGAになりました。RosettaNetコネクタがパブリックプレビューになりました。
Azure Kubernetes Service (AKS):仮想ノード、Azure Dev Spacesなど
Azure Kubernetes Service (AKS)は、マネージドKubernetesサービスです。
Azure Policyは、Azureリソースにさまざまなルールとアクションを適用するポリシーの作成、割り当て、管理のためのサービスです。
Azure Kubernetes Service (AKS)で、次のアップデートが発表されました。
- 仮想ノード(GA):オープンソースのVirtual Kubeletを使ったサーバーレスコンテナー機能
- Kubernetes-based Event Driven Autoscaling(KEDA):MicrosoftとRed Hatが、オープンソースのKEDAを発表(本記事の「Azure Functions」セクションを参照)
- Azure Dev Spaces(GA):2018年5月のBuild 2018で発表/プライベートプレビュー、2018年6月にパブリックプレビューになっていた、チームに高速で反復型のKubernetes開発エクスペリエンスを提供するサービス
- Azure DevOpsのAzure PipelinesのKubernetes/Azure Kubernetes Service (AKS)統合:Azure Kubernetes Service (AKS)へのCI/CD
- Azure PolicyのAzure Kubernetes Service (AKS)サポート(パブリックプレビュー):ポッド、名前空間、イングレスなどに対するポリシーを設定
- ユーザー定義のネットワーク ポリシー:AKSクラスター内でネットワークを安全にセグメント化
- 認証済みIP(パブリックプレビュー):コントロールプレーンへのアクセスを特定のIPアドレス/IP範囲に制限
- 複数のノードプール(プレビュー):AKSクラスター内で異なるVMサイズのノードプールをサポート
詳細は、次のページをご覧ください。
- 更新情報「Azure Kubernetes Service (AKS) 仮想ノードが利用可能」
- ブログポスト「Announcing KEDA: bringing event-driven containers and functions to Kubernetes」
- 更新情報「Azure Kubernetes Service (AKS) 向け Azure Dev Spaces の一般提供」
- 更新情報「一般提供:Azure Dev Spaces」
- 更新情報「Kubernetes と Azure Pipelines が統合されました。」
- ブログポスト「Announcing Kubernetes integration for Azure Pipelines」
- 更新情報「AKS 用 Azure Policy のパブリックプレビュー提供」
- 更新情報「Azure Kubernetes Service (AKS) のユーザー定義のネットワーク ポリシーが利用可能」
- 更新情報「Azure Kubernetes Service (AKS) 用認証済み IP のプレビュー提供」
- 更新情報「Azure Kubernetes Service (AKS) の複数のノード プールのプレビューを提供」
- ブログポスト「コミュニティと提携して Kubernetes を使いやすくする」
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