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Open、Share、Joinの思想があるから、コミュニティはさくらを信頼できる

さくらインターネットと鹿児島のコミュニティがmark MEIZANまでを語り尽くす

2019年05月28日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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2016年、さくらハウスをオープンへ

油井:結局、ユーザーコミュニティである「さくらクラブ」の初回イベントにもなったし、鹿児島で100人集まったので評価も高かったです。さくらじまハウスをいっしょにやるリリーの野崎さんや鹿児島大学の小田先生とも、そこからいろいろ相談するようになりました。

大谷:鹿児島でのスタートアップイベントが成功し、社内では評価されて次に進めるようになったわけですね。

油井:でも、永田さんとは「ここで終わったら意味ないよね」という話をしていて、鹿児島には集まる場所がないという話になりました。コワーキングスペースもポツポツつぶれ始めて、鹿児島大学にお願いしてソフトプラザの場所借りるくらいしか方法がなかったんです。そこでユニマルさんのオフィスと兼ねたコワーキングスペースやイベント場所を作ることにしました。これが2015年9月にできた「さくらハウス」です。

さくらハウスのオープニングイベント

油井:企画を通すのは、イベントより大変でした。場所を作ることにスポンサードして、さくらになにかいいことあるの?くらいな感じだったし、なにより前例ないですしね。でも、ユニマルさんとは関係もできたので、いろいろ作戦会議しました。その一環で、ニコニコチャンネルの「さく生チャンネル」を始めました。復帰したばかりの小笠原治などのゲストを呼んで番組やりましたね。

永田:当時の鹿児島ってフリーランスが多くはないので、そもそもコワーキングスペースの需要があまりなかったですね。だから、コワーキングスペースの利用促進をしても人は来ないんです。もちろん、イベントスペースとしても使えるのですが、鹿児島内外とのやりとりには使えないという課題がありました。だから、鹿児島のさくらハウスから外に発信していこうというのが、さく生のコンセプトでした。ゲストがふらっと来て番組配信できたら、そこ自体が伝説になるのかなとか思いました。

油井:正直、アスキーさんの影響はありました(笑)。自作PCの番組とか、めちゃウォッチしてましたからね。だから、単に話しているだけじゃなくて、たこ焼き作りながらの回とかありましたね。陶芸はなくなったんでしたっけ?

永田:やりましたよ。えふしんさんに陶芸やってもらったし(笑)。

大谷:リアルろくろですね(笑)。

桜島でリアルイベント開催 そして燃え尽きる

大谷:2016年はいよいよ桜島で「さくらじまハウス」になるわけですけど、今から考えてもよく実現しましたよね。

油井:きっかけはAWSの小島英揮さんと弊社社長の田中がトークしたさく生チャンネルの2回目が終わったときに、小島さんが桜島を見ながら「イベントやったら面白そうですよねー」という話をしていて、そこからなんとなくうちの田中と桜島でイベントやるという話がまとまったんです。

さくらインターネット 油井 佑樹さん

永田:なんかすごいですよね。さくらインターネットとAWSはやっぱりライバルという認識なので、コラボするだけでもすごいのに、鹿児島でイベントやるなんて。あとから考えると、鹿児島だからできたんだなと思うけど。

大谷:あとで話聞きますが、GMOペパボさんもさくらじまハウスやMark MEIZANのイベントにも来てくれましたよね。

永田:小笠原さんもよくおっしゃいますすが、「Open,Share,Join」の思想があるからこそ、コミュニティはさくらを信頼できるんです。最近、「q-tech」という会社をまたいだIT勉強会を開催しているのですが、さくらは主催というわけでもないのに、油井さんは運営をすごく手伝ってくれるんですよ。AWSさんやGMOペパボさんをゲストで呼ぶのも、社内調整はすごく大変だと思いますが、結局さくらは許容してくれるんですよね。

大谷:田中さんから出てくる「急成長したスタートアップ企業はうちから卒業してしまったけど、がんばってほしい」という話も、スタートアップをロックインしないさくらの思想を表していると毎回思いますね。でも、桜島は大変でしたよね。

油井:AWSと共催ということもあるので、startuphackを超える150人くらいはなんとか動員したいとは思っていました。とはいえ、startuphackは鹿児島市内でしたが、桜島を会場にすると、みんなフェリーに乗ってもらないといけないんですよね。

実は「レインボー桜島」という会場自体はすぐ決まったんですが、けっこうギリギリまでやれると思ってなくて、「3月のJAWS DAYSで告知したいんだけど、進捗でどうですか?」って小島さんに聞かれて、動き始めたみたいな感じでした。そこで、小島さんに正直な進捗状況を話して、7月にやること決めた感じ。3ヶ月で場所やコンテンツを確定させたので、めちゃくちゃ大変だったけど。

永田:テクノロジーのイベントなのに、ネットワークが弱かった。さく生で配信しようにも、ADSLの1Mbpsじゃあさすがに無理だった(笑)。

大谷:でも、来場者も多かったし、コンテンツも豪華でしたよね。個人的には、鹿児島のイベントの割には東京のゲスト多かったイメージが合ったので、そういうイベントなのかと思ってましたが。

レインボー桜島でのパネルの模様

油井:終わった後は達成感もあったけど、鹿児島として、会社としてなにが得られたのかというと、モヤモヤがあったメンバーもいたんですよね。終わった後は、さーっとひいたというか、ある意味、達成感しか残ってなかったというか。

松岡:とにかく大変だったという記憶は強烈に残ってますね。

永田:これって鹿児島のいいところでもあり、悪いところなのかもしれないけど、盛り上がりそうだから、参加したみたいな人も多かった気がします。鹿児島のためになるんだと思って参加してくれるんだけど、このイベントで自分がどんな価値を得られるかを戦略的に考えられる人は少ないのかなって。

油井:だから、次の開催までにまるまる1年空くんです。

大谷:ある意味燃え尽きちゃったんですね。

油井:それは正しいですね。とはいえ、関係者もそれぞれ忙しくなって、ユニマルさんはさくらとのコラボレーションになるSnapUpを始めることになり、松岡さんもW・I・Zの代表になって会社を大きくすることになりました。僕も2017年はFukuoka Growth Nextに奔走していたので、鹿児島あまり行けてなかった気がします。

大谷:そんな福岡フォーカスだった2017年の油井さんが鹿児島に目を向けるのはどんなきっかけがあったんですか?

松岡:やっぱり野崎さんといろいろ話すようになったからじゃない?

油井:もともと鹿児島の中堅ソフト企業にいて、さくらのサービスを積極的に使ってくれていた野崎さんがリリーという会社を興して年末に独立したんです。ちなみに野崎さんと鹿児島大学の小田先生は、さくらクラブができる前に、日本で最初のさくらの勉強会をやってくれたんです。

大谷:さくらが福岡オフィスを開設したときにもLTしてましたけど、野崎さんてさくら愛というか、田中さん愛がすごいですからね。

油井:そんな野崎さんは、さくらじまハウスが終わった後もイベントを開催した意義をずっと評価してくれて、さくらとなんかやりたいと言ってくれていたんです。リリーを立ち上げたときも、こうしたいみたいな話をしてくれていて、僕からすると以前のユニマルさんみたいに応援したい存在だったんです。

そんな話を2017年はずっと野崎さんとしていて、さくらじまハウスの構想が出てきました。だから、2018年のさくらじまハウスはさくらインターネットとリリーの共催になったんです。

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