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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第611回

パナソニック「LUMIX S1」の猫認識AFはすごかった

2019年05月18日 10時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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ちょっとゴツイが動物を撮るなら便利

 これは良い。猫がこっち向いててもあっち向いてても、尻を向けてても目を閉じていてもちゃんと認識してくれるのだ。

頭をぺちゃっとくっつけて寝てるのがよくわかるようぐぐっと寄って撮影。猫って狭いとこにハマるのが好きだよねえ。2019年5月 パナソニック LUMIX DC-S1

 というわけでいろいろ撮りまくり。冒頭写真は、なかなか人に慣れないチャシロ。不用意に近づくとヒュッと爪が出てくるツワモノだ。遠くからそっと猫認識AFで狙ったものだ。S1はフルサイズなのに画素数が抑えめなので高感度に強い。たまたま、まだ預かって間もなくて、他の猫とは隔離されてる子猫がいたのでちょっと撮らせてもらった。部屋の奥で明るくない場所な上に子猫はじっとしてないのでシャッタースピードを上げたらISO感度は25600。

左手の指を指しだしたら寄ってきたので右手だけで撮影。1/250秒でISO25600。超高感度で。子猫の季節ですな。保護猫シェルターに子猫が持ち込まれるのはあまりよい話ではないのだけど。2019年5月 パナソニック LUMIX DC-S1

 さてこのカメラ、出たばかりでパナソニックの純正レンズは数少なく、いろいろ撮りたい人はマウントコンバーターに頼るしかないわけだが、標準ズームレンズの「24-105mm F4 MACRO O.I.S.」が超便利なのである。広角から中望遠まで撮れる標準的なレンズで、本体のチルト式モニターを使えばこんな風にレンジフードにいる猫を上から撮るのも簡単。

広角でレンジフードにいる猫を、モニタをチルトさせてハイアングルで。2019年5月 パナソニック LUMIX DC-S1

 スゴいのは、すごく寄れること。いわゆる「ハーフマクロ」と呼ばれるレベルで、撮影最短距離がズーム全域で30cm。 望遠側でぐぐっと近づけば、寝てる猫の顔もアップでOK。

レンズフードをはずしてぐぐっと寄ってみた。ほわっとボケる感じもよし。ただフルサイズセンサーでぐぐっと寄るとピントがすんごく浅くなるので注意。ピンポイントAFを使いたい。2019年5月 パナソニック LUMIX DC-S1

 そうそう、大きなカメラ+レンズでぐぐっと近づくと、「黒くて大きな物体が近づいてきた」ってんで猫がびっくりするので慎重に。できればレンズフードは外すべし。あれ、けっこうでかくて猫がいやがるから。どのくらい寄れるかなと思って、足をキャットタワーのブースからはみ出させて寝てる猫の肉球に迫ってみた。ピンクと黒のツートーン肉球が愛らしいのだ。で、ここまで寄れます。トリミングも何もしてません。

これはさすがに猫認識AFじゃなくてピンポイントAFで。肉球にピントを合わせてみた。黒とピンクのツートーンがチャームポイント。2019年5月 パナソニック LUMIX DC-S1

 このレンズ、便利すぎて人間堕落するレベル。いやあ、このカメラ、ちょいとデカくてお値段もそれなりにするけれども、猫自動認識AFやファインダーの見やすさはヤバいほど魅力的でありました。

 次回はこれを持って外に出ます。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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