Ice Lakeは6月から出荷開始
プロセスについてはおおむねこの程度だが、製品情報についても若干のアップデートがあったので、説明しよう。まずIce Lakeは6月から出荷開始となった。
この4コアIce Lakeのダイを、同じく4コアのKaby Lakeと比較すると以下のとおりで、これまでの長細いダイから、ずいぶん正方形に近いものになっているのがわる。
- 3次キャッシュの配置が異なる。これまではコアの外側に3次キャッシュが配されている格好だったが、今回はリングバスに沿うように配された。
- GPUが24EUから64EUに増強され、面積もかなり大きくなった。
- Type-CはおそらくThunderbolt 3のコントローラーを統合していると思われるが、かなり大きな面積を占めている(CPUコア1個分よりも大きい)
ただこのまま8コアのダイなどを作ると、けっこう無駄なエリアができてしまいそうな気がするのだが、そのあたりをどうするのかは不明だ。
この6月に出荷開始とされるのはモバイル向けのUないしY SKUの製品と思われる。デスクトップ向けの6/8コア(10コア、という噂もあるが正式な筋では確認していない。とりあえずCoffee Lake Refreshと同じく8コアまでは用意されるだろう)製品は後追いになると思われる。
記事冒頭の画像にあるように、「ホリデーシーズン(12月)に店頭に並ぶ」ということは、普通に考えるとOEM向けには9月末~10月には出荷を開始しないとまずい。おそらくは順当に行けば10月頃にOEMおよびリテール向けに出荷開始というあたりで、逆算すれば6月~7月には量産に入るものと考えられる。
ちなみに最初はモバイル向けのIce Lakeであるが、この後はデスクトップ向けやXeonなども順次10nmでの量産をスタートする予定だ。

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