柳谷智宣がAdobe Acrobatを使い倒してみた 第96回
写真部分は機械学習で判別し代替テキストを再生
音声読み上げに対応したPDFファイルを作成する方法
2019年05月23日 11時00分更新
写真の部分では機械学習により代替テキストを再生
音声読み上げをする場合、写真の部分では代替テキストを再生する。今回、元ファイルで代替テキストを設定した記憶がないのに、エラーになっていないので確認したところ、「自動的に生成された説明」としてすでに入力してあった。これは、Office 365機能によるもので、機械学習により写真の内容を判別する。
今回は、ボトルが並んでいるバーカウンターでブランデーグラスを持っている人の手が写っていたのだが、代替テキストは「テーブル、室内、ボトル、人が含まれている画像」となっており、なかなか高精度だった。とはいえ、これでは伝わりにくいので、リライトしておきたい。
前述の通り、WordやPowerPointからPDFに変換した場合、初期設定でタグは自動的に付けられているはず。しかし、何らかの理由でタグがないと、チェックでエラーとなる。その場合は、右側のメニューから「自動タグ文書」をクリックしよう。文書を解析して、自動的にタグを付けてくれるので、エラーが解消されるようになる。
音声読み上げは、無料のAcrobat Reader DCでも行なえる。「表示」メニューから「読み上げを起動」をクリックし、もう一度「表示」メニューを開き、「このページのみを読み上げる」もしくは「文書の最後まで読み上げる」をクリックしよう。すぐに、日本語の合成音声でページの最初から読み上げがスタートする。
視覚障害者がWindowsやアプリを操作する際は、「スクリーンリーダー」と呼ばれるアプリを利用するが、もちろんAcrobat DCも対応している。その際の読み上げ順序やボリュームと行なったオプションなどは、Acrobat DCの「環境設定」から設定できる。
また、パスワードによるセキュリティ機能で読み上げを禁止してしまうと、アクセシビリティはなくなってしまうので注意すること。ただし、Acrobat DCであれば、テキストや画像のコピーを禁止したうえで、スクリーンリーダーがテキストにアクセスすることを許可することが可能。「スクリーンリーダーデバイスのテキストアクセスを有効にする」のチェックは外さないようにしよう。
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