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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第510回

世界最高速スパコンFrontierがAMD製CPU/GPUを採用 スーパーコンピューターの系譜

2019年05月13日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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実績のあるインテルとNVIDIAを
Frontierで採用しなかった理由

 それにしても意外だったのは、CPU/GPUともにAMDが取ったことだろうか。Auroraがオールインテルであり、インテル自身も当然Frontierに応札したとは思うのだが、それが採用されなかった理由はなぜか?

 CPUはともかくとして、GPUはPerlmutterのようにNVIDIAとする選択肢もあったはずだ。実際過去の実績で言えばNVIDIAの方が圧倒的に多くのHPCシステムで使われている。

 加えて言うならば、Perlmutter/Aurora/Frontierのいずれも、システムビルダーはCrayが務めており、Perlmutter/Frontierに関しては主契約者もCrayである(Auroraのみ主契約者はインテル)。

 こうなると、たとえばPerlmutter同様にAMD CPU+NVIDIA GPUやIntel CPU+NVIDIA or AMD GPUという構成ももちろん可能だったはずで、エネルギー省が最終的にAMD CPU+AMD GPUを選んだのはなかなかに感慨深いものがある。

 インテルを選ばなかった理由は、仮にAuroraプロジェクトになにか問題が出た場合、Frontierにも同じトラブルが襲いかかるのでそれを避けたかったという面はあるだろう。

 実際ASCIの時代にはASCI Qという記録的な失敗もあったわけで、別にAuroraをASCI Qになぞらえたいわけではないが、途中で仕様が変わっているし、同社のプロセスの不調はもう説明の必要もないし、加えて言えばAuroraで利用予定のXe GPUはまだそもそも存在していない。

 いろいろと不確定要素が多すぎるとあれば、Auroraと同じ構成でFrontierを作るという選択肢はなかったのだろう。

 ただそれにしても、オールAMDで、しかもAuroraの1.5倍のピーク性能を狙うというシステムが、ほぼAuroraと同時期に稼働開始になるというのは、なかなか興味深いものがある。

 おそらく2021年末のTOP500には、Aurora/Frontierの部分的に稼働したシステムを利用してのスコアが入ることになるだろう。両社ともにプライドを掛けて戦っているわけで、どんな結果になるのか今から楽しみである。

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