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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第40回

アップル2019年第2四半期決算を解説:

iPhoneの中国製造は瀬戸際か?

2019年05月09日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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 アップルは米国時間4月30日に、2019年第2四半期決算(1〜3月)を発表しました。売上高は5%減に留まり、予想よりも落ち込みが少なかったことから、アップル株は買い戻され、再び時価総額1兆ドルの大台に戻りました。

 ただし株価に関して言えば、トランプ大統領が「中国に対する2000億ドル分の輸入品への関税を引き上げる」とツイートしたことから、再び時価総額は1兆ドルを割り込む水準へと逆戻りしています。中国の話題に敏感な原因は、最新の決算からも現れています。まずは数字を詳しく見ていきましょう。

●もうすぐiPhoneをリカバーしそう?

 2019年第2四半期の売上高は580億ドルで前年同期比5%減、1株あたりの利益は2.46ドルで10%減となりました。依然として最も大きな割合を占めるのがiPhoneで、310億5100万ドル。この数字は前年同期比で17.3%減と、利益警告を出した前回の四半期よりも下落幅が大きくなっています。売上高の減少は、基本的にはiPhoneが原因と見て良いでしょう。

 その他のカテゴリを見ると、Macは売上高55億1300万ドルで4.6%減。iPadは引き続きiPad Proの好調さが維持され、48億7200万ドルと前年同期比21.6%増。3年近い下落トレンドから抜け出し、過去6年で最も強い成長だったとティム・クックCEOがコメントを添えています。

 前回の決算から名前が変わったWearable, Home and Accessoriesは前年同期比30%増の51億2900万ドルでした。これだけ成長していますが、Apple Watchとともにカテゴリの成長を支えているAirPodsは品薄状態が続いており、売上高が抑制されているとのことでした。まさに、作れば作っただけ売れている状況が依然として続いていることが分かります。

 そしてサービス部門。こちらは売上高114億5000万ドルで前年同期比16%増。以前の20%台の成長からは幾分減速気味ですが、この数字は3月25日のイベントで発表した雑誌、ゲーム、クレジットカード、映像のサブスクリプションサービスがまだ含まれておらず、引き続き伸びしろが大きな分野、というわけです。

 iPhoneの減速でハードウェアの売上高は9%下落してしまいましたが、iPadの復活とウェアラブル、ホームの高成長の維持が続いており、結果的に全体の売上高は5%減に留まった格好です。これは2019年第1四半期とも同じパターンでした。

 まだまだiPhoneへの依存度は高いままですが、ウェアラブル、サービスの2つのカテゴリの1つの目標は、iPhoneの下落幅をカバーし、全体の売上高がプラスマイナスゼロになること、といえます。

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