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私→WRC 第4回

梅本まどかちゃんは骨折でお休み

茂原の女王が唐津ラリーでクラス2位を獲得!

2019年05月08日 19時00分更新

文● 板倉麻美 撮影●中島正義 編集●スピーディー末岡/ASCII編集部

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【Leg2】事件が発生しまくるが
SSベストも記録!

 翌日Leg2はSS9~14まで、6本のSSを走ります。クラス1位の大倉選手とは120秒以上の差、クラス3位の伊藤選手とは45秒の差。上には追いつけそうもないし、下からも追いつかれそうにないマージンです。普通に走りきればですが……。

 この日はSSS(スーパースペシャルステージ)というジムカーナ的な400mのギャラリーSSが2つ設定されています。パイロンジムカーナは、ひとつ目のパイロンを曲がった瞬間に自分がどこにいるのか分からなくなってしまうため、苦手意識がとても強いコースです。

 ミスコースやパイロンタッチでは容赦のないペナルティタイムが課せられるため、監督やチームの皆は「頼むから何事もなく帰って来てくれ。遅くてもいいから無理はするな」と青ざめてる私にアドバイス。

 簡単なコースなのに、覚えることとミスしないことで精いっぱいだった私は、予想通りぶっちぎりでクラス最下位タイムを獲得。サービスパーク脇のコースだったため、チームのみんなも見守ってくれていたようですが、あまりの遅さにビックリだったみたい。ごめんなさい……。

 そして次のSS10でも事件が起こります。SSの距離は5㎞。メンタルとタイヤを温めながらコーナーをクリアし「よしよしいい感じだぞ」と思っていたら、カーブミラーに映るチカっとした何かが視界の隅に飛び込んできました。

 「た、対向車が来た!」と焦った私は「ぎゃあ!」と叫んでフルブレーキ! (よかった……止まれた、なんだようまったく!)と思うも対向は来ない。そう、カーブミラーに映ったのは自分のヴィッツだったのです。林道を走るときはスモールを点灯しているので、余計に目に飛び込んできたみたい。そして慌てて急発進。

 「えっ、大丈夫?なにがあったの」と聞こえてくるコドライバー蔭山さんの声。「すいません。自分の姿に驚いて止まってしまいました」とは言えず、モゴモゴ……。

 気を取り直して臨んだ次のSS11はLeg1でも走った三方の逆走ステージです。距離が長いと、少しくらいミスしてもまだまだ走れる! っていう気持ちの余裕ができるのかもしれません。 昨日同様に楽しく走れました。

 こんな感じでLeg2の午前中セクションを終えてサービスへ。全体的にタイムにばらつきがあるものの、Leg2スタート時のマージンをキープできていたのでホッとしました。ちなみに昼食はおにぎり。白米大好き。監督に言わせると「ウチはドラもコドラもあんまり食べないから、ゴハンの用意し甲斐がない」そうです。

 午後のSSは午前のループ。最初のジムカーナ的SSSは午前の反省を生かして、少し攻めてタイプアップ。やったー! と思っていると、空が急に暗くなってきて……。

 この日の天気は雨予報だったのですが、朝からお昼のサービスまではカラッと晴れていました。なので、午後のループも午前同様に新品のソフトタイヤを投入して臨んだのですが、ジムカーナコースを終えた瞬間からパラパラ降ってきちゃいました。

 あー、どうしよう! でも山の方は晴れてたらいいな、なんて希望的観測で向かいましたが、雨はまったく止みません。ガッツリ降ってて路面はフルウェット。そのまま先ほどカーブミラー誤認でストップしてしまったリピートSSへ。

 スタートラインに着いてしまったらもう腹をくくるしかありません。行くしかない! とゆーことで、路面を確かめながらスタート。ん? 思ったよりグリップするかも。無理のないペースで、かつ攻める気持ちも忘れずに。

 監督が「本番の練習は本番でするしかないだろ!」とクヨクヨする私に常日頃アドバイスをくれるんですが、まさに今がその時かも! 自分でも想像以上に気持ちよく走れて、無事ゴール。

 そして最終SSは三方の逆走。相変わらず雨は降り続けています。ここでやらかしてしまいました、オーバースピードからのブレーキロック。そのまま山側の側溝にスポンとハマってしまい大パニック! クラッシュしてしまった場合は、約1分後に走ってくる後続車両に状況を知らせることが先決。三角停止板を置いて、OKマーク(=クルーが無事な場合)もしくはSOSマーク(=怪我や火災などで救援が必要な場合)を掲げます。

 蔭山さんは隣で外に出る準備をしながらも「落ち着いて。出れるかどうか試してみて」と冷静に声をかけてくれます。幸い、側溝内が土や葉っぱでこんもりしていたこともあり、バックで脱出できました。このコース復帰に30秒以上はロスしていたため、焦りながらも気を取り直して再スタート。ヴィッツにも大きなダメージは無さそうです。その後は慎重に走ってなんとかフィニッシュ。

 このタイムロスで順位を落としちゃったかも……。あぁ、監督に怒られちゃう。みんなごめんなさい。……なんて思いを巡らせションボリしながらサービスパークに帰還。すると、メディアの方が「SSベストおめでとうございますっ!」と。SSベスト? 何それ? 言葉の意味がまったく分かっていなかったため混乱して、挙動不審な受け答えをしてしまいました。

 どうやら、雨の中気持ちよく走れたSS13がJN6クラスの最速タイムだったとのこと。雨で1位独走の大倉選手がペース調整で抑え気味だったとはいえ、とてもうれしい! へー、SSベストなんて言葉があるのね!

 こうして私のツール・ド・九州 in 唐津2019は無事に終了しました。JN6クラス2位でシリーズ3位まで浮上。初の全日本ラリーSSベストも獲得できて、われながら上出来だったのでは? 珍しく監督やチームのみんなも褒めてくれたし。……最終SSでコースオフしかけたことを伝える前まででしたけど。

 私の次のラリーはGW中の久万高原ラリー!(この記事が掲載される頃には終わっていますが) ついに梅本まどかちゃん、いや梅本まどか選手と組んで走ります!

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