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業界人の《ことば》から 第337回

日立、46歳の若い社長に家電を託した新会社の狙いは?

2019年04月04日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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モノ売りからコト売りに転換へ

 谷口社長は「新会社の社長就任の要請を受けたときのファーストインプレッションは、ワクワクであった」とする。

 続けて、こうも語る。

 「家電および空調事業は、お客様の声がダイレクトに届く事業であり、反応をきちっと見ながら、スピーディーに意思決定ができるビジネス。日立は1932年に、第1号の電気冷蔵庫を発売して以来、85年以上の家電事業の歴史を持つ。その事業をリードしなくてはいけないという点では、気持ちが引き締まる」とする。

 日立グローバルライフソリューションズは、ひとりひとりに寄り添う、デジタル技術を活用した商品、サービスを提供することになる。

 「社会イノベーション事業の立ち上げおよび確立、パートナーとの協創などで培ってきた経験と、ノウハウを組み合わせることで、事業スピードを高め、従業員やパートナーが持っている新たなアイデアを実現し、チームワークとネットワークをさらに強固にしたいと考えている。

 従来からのモノづくりを磨き上げるのにくわえて、モノ売りからコト売りへの転換を進める必要がある。そこにも私の経験が生きる。それを期待されているとも感じている」とする。

 谷口社長の座右の銘は、「尊敬と感謝」だという。

 「自分ひとりでできることは小さい。いろいろな仕事をしてきたが、そのなかで感じたのは、会社のパフォーマンスをあげるためには、ひとりひとりの強みをいかに引き出すかという点である。そこが、社長としての私の腕のみせどころである」とする。

 日立が目指す「協創」の体現者となることが役割だ。

 日立グローバルライフソリューションズという新たな会社のスタートによって、日立の家電および空調事業は新たな一歩を踏み出した。日立の家電および空調事業がどう変化していくのかが楽しみだ。

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