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業界人の《ことば》から 第337回

日立、46歳の若い社長に家電を託した新会社の狙いは?

2019年04月04日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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製販一体によってスピードを高められる

 このタイミングで、2つの会社をひとつの会社にする狙いについて谷口社長は「社会構造の変化が速くなり、デジタライゼーションが進展するなかで、お客様のライフスタイルも多様化している。こうした変化に対応するために、すべてのバリューチェーンを統合し、変化に即応できる事業体へと進化させることが大切になってきた」と前置きし、

 「製販一体によるメリットは、スピードを高められる点にある。開発、生産、営業、サービスといったひとつひとつの機能を強化するだけでなく、つながる強みを重視したい。情報をバケツリレーで渡すのではなく、すべての機能が、情報をシェアしながら、スピードをあげて取り組んでいくことが大切だ。

 これにより、お客様の生活課題を解決する商品、サービスの提供を通じて、日立グループの強みを生かした新たな生活ソリューションを創出。生活課題の解決を通じて、世界中の人々のQoLを高める『生活ソリューションカンパニー』を目指したい」とした。

 谷口社長は46歳という若さと、これまでにIT分野の経験がありながら、家電事業の経験がないという点では、日立アプライアンスの社長を務めていた徳永俊昭氏(現・日立製作所 執行役常務サービス&プラットフォームビジネスユニットCOO兼日立グローバルデジタルホールディングス会長兼日立ヴァンタラ会長)に通じるところがある。

 「徳永からは、若いのだから思い切ってやれと言われた」と笑いながら、「46歳という若さは、体力もあるということである。全世界のさまざまな人たちと、フェース・トゥ・フェースで、生の声を聞き、事業成長につなげたい」と語る。

 一方で家電事業の経験がないということについては「食品業界やヘルスケアビジネスに取り組んできた経験がある。これらはコンシューマビジネスの領域であり、家電とは違う側面から、お客様と一緒に、コンシューマ分野における商品開発やサプライチェーンの構築を行なってきた。その経験が生かせると考えている」と語る。

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