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パナソニック「はやうま冷凍」冷蔵庫 第2回

急速冷凍のヒミツ

パナソニック最新「はやうま冷凍」冷蔵庫 実機レポート02 = 業務用レベルの急速冷凍性能ってどんな効果があるの?教えて作った人!

2019年05月10日 11時00分更新

文● ジャイアン鈴木

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 パナソニック冷蔵庫の2019年モデルとして発売された「NR-F655WPX(650L)」「NR-F605WPX(600L)」「NR-F555WPX(550L)」(以下WPXタイプ)には、業務用レベルの急速冷凍(※1)が可能な「クーリングアシストルーム」が用意されています。

※1:パナソニック調べ。運転状況や食品の種類・状態や量によって、効果が異なります。

 急速冷却は、ユーザーにとってどのようなメリットがあるのでしょうか? 初っ端からはっちゃけたポーズを強要して恐縮ですが、開発を担当したパナソニックの冷蔵庫事業部の垣内翔太さんにお話を伺いました。

急速冷却の利点は
冷凍だけではなかった!!

Q:開発のきっかけを教えてください。

A:冷蔵庫の本質はやはり冷やすことですが、その基本的な機能で新しい提案ができないかなというのがスタートですね。そこで冷凍ということを改めて調べていくと、30分という時間を切ると保存性能において新しい世界が見えてくるということがわかりました。そこを目標に開発をスタートさせました。

パナソニック株式会社 アプライアンス社 冷蔵庫事業部 先行開発部 先行商品開発課 係長の垣内翔太氏

Q:30分を切る業務用レベルの急速冷凍性能って、具体的にどんな効果があるんですか?

A:特に実感していただけるのがフライなどの揚げ物ですね。たとえば唐揚げを普通に冷凍してしまうと、鶏肉の水分が衣に移ってしまいます。それで衣はベチャベチャ、中身は水分が抜けてスカスカになってしまうんです。今回の「はやうま冷凍」なら衣がサクサクのまま冷凍できますよ。

Q:聞いているだけでよだれがこぼれそうです(笑)。

A:調理したものって熱々だと湯気が出て、水分が失われますよね? そこにうま味とか栄養も含まれています。急速冷凍することで美味しさだけでなくて、栄養も保持できるんです。

通常冷凍では食材のなかに大きな氷結晶ができる温度帯のマイナス1度~マイナス5度を通過するのに約150分かかりますが、「はやうま冷凍」では約1/5の約30分に冷凍時間が短縮されます(牛ステーキ150gを冷凍した場合)

大きな氷結晶ができる温度帯を短時間に通過することで、旨味成分の流出を抑えて、美味しさが保たれるわけです

Q:味を染み込ませる「はやうま冷却」はどういう原理なんですか?

A:「はやうま冷却」は凍らせるのではなくて、表面だけをマイナス2℃~マイナス3℃に微凍結させます。微凍結した部分に調味液などの味が染み込みますし、加熱する際には表面の調味液によってなかの旨味が保たれます。

低温冷気の生成と
食品への直送で「はやうま」を実現

微凍結した表層に調味液が染み込んで、その表層が膜を作るとイメージするとわかりやすいです。その膜が食材の水分(=旨味)を保ちます

Q:家庭用の冷蔵庫でこれだけの急速冷凍を実現できたのはどういう技術によるものなんでしょうか?

A:冷却装置を大型化すれば能力を上げるのは簡単です。しかし、家庭用なので、限られたスペースのみを使って冷却能力を上げる必要がありました。
 そのためには、「より低温の冷気」を作り出して、それを「より一気に利用」するしくみが必要です。
 冷却装置は従来と同じものを使い、より低温を作り出すために、クーリングアシストルーム以外を冷やす能力を抑えました。
 さらに新しく設置した専用ダクトと強力なファンによる冷却装置で、作った-30℃以下の冷気をクーリングアシストルームに直送し、効率よく食品に当てることで今回の急速冷凍を実現しています。

☆☆☆☆

 取材班は、垣内さんにお願いして、実際に急冷室に吹き出す冷気を自分の手に当ててみて、その凄さは強烈に体感できました。編集部で計算したところ、急冷室の冷却能力は約45Wで、従来モデルの10倍の「冷し」が実現されています。
 そして、クーリングアシストルームの「はやうま冷凍」、「はやうま冷却」の原理を理解したらお腹が超空いてきました。
 そこで次回から実技編ということで、5回に分けて「冷凍・冷却→調理→実食」を繰り返していきますよ。楽しみです! ……じゃなくて、お楽しみに!

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