LAN内のデスクトップPC間でデータ転送速度を比較
無事ワイヤレス化できたところで、LAN内のデスクトップPC間でデータを移動したときの速度を比べてみました。比較対象は以前の住まいで使っていたNECプラットフォームズ「Aterm PA-WG2600HP」(11ac、4×4、最大1733Mbps)。ボディー内蔵型の「μSRアンテナ」でコンパクトなところが気に入って購入したものですが、アンテナの電波強度は明らかにRT-AX88Uに劣るはず。
テストは動画ファイル(約2.69GB)を転送した経過時間を3回手動計測し、最も高速だったときの結果を掲載します。まずはデスクトップPCその1&2をギガビットLANで有線接続した場合からご紹介しましょう。
まあ当たり前ですが、さすがに有線LAN接続ではいずれのルーターでも差がつきませんでした。転送速度は毎秒108MB程度(=864Mbps)だったので、ギガビットLANの実行スループットとして妥当です。続いて、PCその1(11ac、2×2、最大866.7Mbps)のみワイヤレスで接続した場合です。
PCその1からその2へ転送した場合は約3秒、その逆は約9秒ほどRT-AX88Uのほうが速かったです。どちらのルーターも規格やMU-MIMOは11ac 2×2接続がボトルネックになるので、純粋に装備しているアンテナの電波強度の差が出たものと思われます。次は、PCその1は有線LANに戻し、PCその2(11ac、4×4、最大2167Mbps、NitroQAM対応)のみワイヤレス化してみました。
いずれのルーターでもほぼ有線LANどうしで接続したときと同等の速度になりました。RT-AX88Uは最大2167Mbps(4×4、NitroQAM対応)、PA-WG2600HPは最大1733Mbps(4×4)なので対応規格の差が出るかと思いきや、ほぼ変わりませんでした。NitroQAMによる変調の効果がうまく現われなかったテストだったのかもしれません。
それではいよいよ、PCその1&その2を両方ワイヤレス化した場合の結果です。
さすがに有線LAN接続時と比べると大きく速度を落とし、アンテナの電波強度で有利なRT-AX88Uでも毎秒42MB(=336Mbps)程度になりました。とはいえPA-WG2600HPとの差は大きく、無線LAN接続するPCを複数台運用するならRT-AX88Uは有用な選択肢だということが確認できました。
実行スループットで300Mbpsを超えていれば、動画ストリーミング利用でも余裕でしょう。LAN内に動画アーカイブ専用PCやNASを置きたくなってきますね。
この連載の記事
-
第457回
自作PC
インテル新GPU、Arc B580の実力は?AI&動画エンコードは前世代より超強力に -
第456回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」は高画質設定でも最強ゲーミングCPUであることに間違いはなかった -
第455回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」が最強ゲーミングCPUであることを証明する -
第454回
デジタル
性能が最大50%引き上げられたSamsung製SSD「990 EVO Plus」は良コスパSSDの新星だ -
第453回
デジタル
性能も上がったが消費電力も増えた「Ryzen 7 9800X3D」最速レビュー、AI推論の処理速度は7800X3Dの約2倍! -
第452回
自作PC
Core Ultra 200Sシリーズのゲーム性能は?Core Ultra 5/7/9を10タイトルで徹底検証 -
第451回
自作PC
Core Ultra 9 285K/Core Ultra 7 265K/Core Ultra 5 245K速報レビュー!第14世代&Ryzen 9000との比較で実力を見る -
第450回
デジタル
AGESA 1.2.0.2でRyzen 9 9950Xのパフォーマンスは改善するか? -
第449回
デジタル
Ryzen 9000シリーズの性能にWindows 11の分岐予測改善コードはどう影響するか? -
第448回
デジタル
TDP 105W動作にするとRyzen 7 9700X/Ryzen 5 9600Xはどの程度化ける? レッドゾーン寸前を攻める絶妙な設定だが、ゲームでの効果は期待薄 -
第447回
デジタル
Zen 5とTDP増でゲーム性能は向上したか?「Ryzen 9 9950X」「Ryzen 9 9900X」の実力チェック - この連載の一覧へ