2018年ベストバイのグランプリ・モデルがGPUを載せ替えて登場
Razer Blade 15 アドバンストモデル 2019 実機レポート = RTX2080搭載でまたも爆速だった!!
2019年03月08日 19時00分更新
2月28日、Razerは米国のCESで発表した2019年モデルの「Razer Blade 15 Advanced Model」を日本でも3月8日に発売することを公開した.2019年モデル(以下新Blade15A)の最大の特徴は、なんといってもGPUがGTX10シリーズから、RTX20シリーズへと大幅アップグレードしたことである.
日本向け最上位モデルの実機が到着したので、早速レビューしていこう.
薄型軽量モデルのまま
ついにRTX2080を搭載なのだっ!!
Blade15は2018年5月に従来の14型Bladeをフルモデルチェンジし、15型狭額縁のソリッドデザインとなった.CPUはそれ以降、2019モデルも全てコアi7-8750Hの6コア12スレッドで変わらない.
2018年10月には、アドバンストモデルとベースモデルに細分化した.アドバンストモデルはいわば従来モデルで、ベースモデルはちょっと厚みが増して(約3ミリ)、ハードディスクを搭載可能とし、有線LAN端子も搭載するが、GPUは下位のGTX1060固定でACアダプターも小型というスペックだ.
今回、新たに発表されRTXを搭載したのはもちろんアドバンストモデルのほうである.新Blade15Aに搭載となるGeForce RTXは、同じくCES2019で発表となった2060が「素」で搭載.RTX2070/2080はMAX-Qデザインでの搭載となる.VRAMは2060モデルが6GBで2070/2080が8GBを搭載する.
GeForce RTX20シリーズは、ご存じのとおり新しいTuringアーキテクチャーを使い、通常のグラフィック処理を高速化したうえ、レイトレーシングやAI演算機能も搭載している.
メインメモリはDDR4-2677MHzを16GB搭載し、最高で64GBまで拡張可能と2018モデルより32GB多くなった.SSDはPCIe3.0x4で256または512GBを選択でき、最高2TBまで増強可能である.
ディスプレイは15.6型のフルHD(1920×1080ドット)の144Hz動作モデルのみとなった.米国では4K(3840×2160ドット)のタッチ対応モデルも発表となったが、日本では当初はなく、前モデルにはあったフルHD+60Hz動作モデルはなくなった.また、液晶上部に搭載しているカメラが機能を向上し、WindowsHelloの顔認識が利用できるようになった.
GPUとSSD容量で
4モデルから選ぶのだ
日本で発売となる新Blade15Aには4つのモデルがある.主な違いはGPUの種類とSSD容量,そして重量である.最下位のRTX2060+SSD512GBは2.07キロ、RTX2070+SSD256GBとSSD512GBが2.1キロ、最上位のRTX2080+SSD512GBは2.14キロとなっている.つまり、SSDの容量ではなく、GPUの種類によって、ボディの重さが最高で70グラム変わるわけだ.お値段は税込みで29万7864円~38万6424円である.
ちなみに今回試用した最上位モデルの実測重量は2118グラムで、付属するACアダプターと電源ケーブルは772グラム.合計は2890グラムである.
ボディのサイズは4モデル同じで、2018年モデルと変わらず355×235ミリと、15型としては狭額縁で、設置面積も狭い.
厚みも4モデルとも同じ17.8ミリになっている.2018年モデルではGTX1070が17.3ミリで、1060では16.8ミリだったので、0.5または1ミリ分厚くなったわけだ.
とはいえ、実機は相変わらずの直線と平面のモノリスデザインのカッコヨサそのままで、少し厚くなったといわれても、まったく感じない.
インターフェースも変わらず、USB3.1のタイプA×3とThunderbolt3のタイプC×1、HDMI2.0B×1、ミニディスプレーポート1.4×1を搭載しており,3台の外部ディスプレイを同時に接続することができる.
キーボードも変わらず横幅は283ミリで日本語キーもフルサイズで並んでいる.キーのクリック音はほとんど無音で、会議中に文字入力しまくっても回りに気づかれない.
タッチパッドも130×80ミリの大型で、表面はスベリがよくてキモチがいい.こちらのクリック音もかなり静かで回りを気にせずゲームし続けることができる.
特製アプリが3本になって
お楽しみも3倍に
おなじみの各種設定ソフト「Razer Synapse」はバージョンアップしており、パフォーマンス設定が従来の「バランス」と「ゲーミング」に加えて、「ユーザー指定」というボタンができ、ファンの回転数を好きなように指定できるようになった.そして、ツールバーに「Razer Central」というアイコンが表示されて、各種アプリを起動できる.
例えば、「Razer Cortex」をインストールすると、「今すぐブースト」というなかなかココロをソソラれるボタンが出現する.押してみると、不要なプログラムを停止させて、自動更新を停止、クリップボードをクリアしてメモリをなるべく広く開放する.同様の機能を持つフリーソフトはあるが、こうしてオフィシャルで用意してくれると安心して利用できる.
「Razer Softminer」をインストールすると、GPUが遊んでいる時間を使って、いわゆるマイニングを実行して、仮想通貨「RazerSilver」を入手することができる.これも自分で選んで実行するより、メーカーが準備してくれたほうが、気軽にできるのでうれしいのである.
RTXの実力が発揮される
レイトレの時代は来るのか
前モデルはi7-8750HにGTX1070がMAX-Qデザインで搭載されていた.今回は同CPUにRTX2080を搭載した最上位モデルで速度を計測した.
おなじみのCINEBENCHではCPU値は前モデルとほぼ変わらず1076を、OpenGL値も同様に110という数値が出た.
3DMarkのFireStrikeでは16598で、もちろんGTX1080搭載ゲーミングノートの15000台を軽く超えて、RTX2080の威力を見せてくれた.前モデルのGTX1070と比べると3割増しの速度である.
ではレイトレーシングの威力はどうなのかというと、同じく3DMarkの新ベンチPortRoyaleで4300をマークした.ジサトラ軍団に問い合わせたところ、これはデスクトップPC用グラボのRTX2070に近いということだ.とにかくモバイル・ゲーミングノートとして最高速なのは確かなのである.
試用機のSSDはPCIe3×4のLiteon製品が搭載されていたが、クリスタルディスクマークのマルチシーケンシャルでは書き込みが3166で読み出しが2031と、最高クラスの数値を出している.
バッテリーの持ちはBBenchで、液晶は最高輝度、RazerSynapseはバランスの自動(デフォルト)で、約2時間36分稼働した.バッテリー容量80Whと前モデルと同じだが、同条件での稼働時間は約30分短くなっている.ちなみに、最高設定でファン回転数5500で実施したところ、1時間21分稼働だった.モバイル状態でのゲームはここを目安にしたほうがいいだろう.
ACアダプターも前モデルと同じ19.5V11.8Aの230W出力で、上記とおなじ条件で稼働しながらの充電時間は50%まで36分、70%まで52分、90%まで69分となかなか優秀で、急速充電といっていいレベルである.
最新RTXで迷いなし
あとは4Kがちょっと気になる
前モデルはアスキーが選んだ「2018年ベストバイアワード」の「グランプリ」をとりました.つまり、昨年発売となったPCのトップに認定されたわけです.
それは、機能はもちろん、各種パーツのクオリティから、ボディのモノリスデザインとすべてが最高だったからです.そして、年が明けたとたんにGTXをRTXへと積み替えて登場したわけで、もちろん最強モバイル・ゲーミング・ノートの地位は変わりませんというか最強化されたわけです.
そして気になるのは米国ではラインアップにある4K液晶搭載モデルで、これは当然日本でも登場していただきたい.CESの会場では有機EL液晶を搭載したモデルも参考出品されていたという.Razerファンとしては、そこも積極的に攻め込んでほしいのだ.
これまではCPUやGPUの世代が上がってもあまりお高くならなかったRazerBladeだが、今回はちょっと上がった.これまでよりちょっと決断力が必要となったわけですね.前モデルの最上位機種は税込32万円でしたが、38万円になりました.でも買うならRTXでしょうね~~~やっぱそうですよね~~