ZenBookシリーズのスリム&スペシャルラインを徹底テスト
ZenBook S13 実機レビュー = GeForce搭載なのに超スリム&軽量のモバイルノートだっ!!
2019年06月05日 11時00分更新
ASUSの春夏モデルの中で、モバイルノートなのにトンがっているのがこのZenBookS13である.超絶狭額縁による省スペースに加え、スリムなのにGeForce MX150を搭載してグラフィックスもバリバリなイカしたマシンなのだ.
画面占有率ついに95%
薄型軽量でGeForce搭載なのである
発売となったZenBook S13(UX392FN)は、小型化と高速性を両方狙った13型ノートである.無印のZenBookシリーズは濃紺とシルバーが用意されているが、S13は「ユートピアブルー」のみである.シルバーにちょっと水色がかかった軽めのカラーリングだ.
まず外観の特徴はその「超」狭額縁ぶりで、液晶は13.9インチとほぼ14に近い大型ながら、「額縁」は上部と左右ともに約3ミリしかない.ASUSの発表としては画面占有率が95%を実現しているという.
当然の結果としてボディサイズは316×195×12.9と、14インチの同社の最新モバイルノートのZenBook14(UX433FN)と比べると、幅は3ミリ、奥行きは4ミリ短く、厚みは約3ミリも薄い.「S」は「スリムのS」なのである.
重さはスペック値で1.16キロで、試用機の実測は1.15キロだった.ZenBook14より90グラムも軽い.とはいえ、ボディはおなじみのアルミ合金で、ヤワさは感じない.天板は完全にフラットで、いまふうのシャープなデザインでキリッとしまっている.写真では、ASUSおなじみの同心円の模様が見えるが、手でさわってもツルツルで溝はない.
写真をみてわかるとおり、液晶部分は狭額縁ながら、中央にちょっとデッパリがある.長さにして85ミリにわたりデッパリは3ミリほどで、つまりこの部分に関しては額縁幅が6ミリある.みなさまの想像のとおり、ここには92万画素のWEBカメラとマイクが設置されている.WindowsHelloの認証には使えないのだが、ここまでしてWEBカメラが要るのかという気がするおじさんである.
このサイズのボディに
GeForceを搭載した意欲がステキです
厚み12.9ミリなうえに、フルフラットなデザインなので、手にした感触はやはり「薄いですね」である.そんなボディに最新WhiskeyLake-Uのi7-8565Uに加えて、通常クロック版ながら、NVIDIA GeForce MX150を搭載しているのが、S13のイケてるポイントなのである.「S」はスペシャルのSでもあるのだ.
もちろんメインメモリとは別にVRAMを2GB搭載しており.ボディの底には吸気のためのパンチングが、液晶ヒンジ部には排気のためのスリットが設置されている.
メインメモリは16GB、ストレージはSSDが512GB(PCIe3.0x2)と不足はない.液晶はフルHD(1920×1080ドット)で、ノンタッチながら光沢タイプで天井の明かりを反射するので、ぜひノングレア化してほしいところである.
キーボードはパームレスト面から一段窪んで設置されている.日本語キーもフルサイズで設置されていて、キートップが水色で刻印はオレンジなのだが、ともに淡い色なのと、ひらがなの刻印は小さいのでとても上品な印象である.
キーピッチはきちんと19ミリあるのでとても打ちやすい.バックライトも内蔵しているので暗所でも安心して利用できる.タッチパッドは105×61ミリと広めでスベリもよく、クリック感も深めだが、音はちょっとうるさい.パッドの右上に指紋センサーが内蔵されているのは、ちょっとじゃまである.いまどき、電源スイッチに内蔵していただきたい.
インターフェイスは本体の左側にタイプC(3.1Gen2)×2があり、その1つがACアダプターとの接続に使われる.左にはマイクロSDリーダーも設置されている.
右側にはタイプA(3.1Gen2)×1とマイク・ヘッドホン端子のみと非常にシンプルだ.電源をつないだときには左右にUSBが1つずつとなる.
そのぶんといってはなんだが、ASUSミニドックというものが付属していて、タイプA×1とHDMI×1、電源入力用のタイプC×1が増設される.つまり、本体に接続してやると、電源を供給しながらタイプAとHDMIが増えるしくみだ.
おじさんとしては、通常サイズのSDカードスロットと有線LAN端子もこのドックに付いていると安心感が高まるので、同梱するならぜひとも見直していただけるとありがたいですね.
CPUもGeForceも大回転
3DMarkは内蔵の2倍速です
以前も書いたが、GeForce MX150には実は2種類のモデルがある.1D12という名称の通常版は動作クロックが937MHzで、1D10という高速版はクロックが1469MHzである.GPU-Zで参照してみたところ、S13が搭載しているのは937MHzの通常版だった.
まずは、CPUのまわり具合をみるCinebenchでは、740といういい結果が出た.同じCPUを積むZenBook 14では655だったので、今回のS13の冷却性能の高さがうかがえる.
3DMarkのFireStrikeは2660で、TimeSpyでは984とどちらも同CPU/GPUを搭載するZenBook14より少し高速だった.インテルCPUの内蔵グラフィックスのみの場合の約2倍の速度である.
CPUは同じだが、高速版(1469MHz)のMX150を搭載しているRazerBlade Stealth(2019)では、3406と1264である.さすがゲーミングノートの血をひくサラブレッドにはかなわないが、S13は通常版のMX150がきちんと回っている数字である.
SSDはおなじみクリスタル・ディスクマークでマルチリードが1735、ライトが1453で、ZenBook14と同じデバイスなので同じ速度となっている.PCIe3.0x2接続としてはきちんと回っている速度だ.
バッテリーの持ちは、いつもどおり、「最も高いパフォーマンス」で「液晶の輝度最大」でBBenchを動作させて、3時間42分動作した.バッテリー容量は50Whとモバイルノートとして標準的なので、うまく省エネしている値である.「より良いバッテリー」設定にすると2倍は持つので、安心して使える.
バッテリーのチャージ速度については、消費と同条件で、50%まで34分、70%まで69分、90%まで118分という結果である.ACアダプターは65W出力だが、50%までが高速充電で、そのあとはバッテリーをいたわって充電するようだ.使いながらでも30分で半分充電されるのでこれも心配はない.ちなみにACアダプターはおなじみのプラグ一体型の出力65Wのものである.
GeForce搭載ノートも
超軽量化の時代が来たのだ
さて、「イケてるモバイルノートはMX150をフツーに積む時代がくるのだ~」といい続けてきたおじさんとしては、ZenBook S13の登場はまさに預言どおりで、もちろんどんどん増えて欲しい方向である.
ASUSとしてはZenBook14がMX150を搭載していて、HuaweiのMatebook X ProとMateBook DはCPUがひとつまえのi7-8550UながらMX150を積んでいる.そしてどのマシンも(縦横比が違うのもあるが)13.9インチのディスプレイを搭載している.
前述のとおり、RazerのBlade Stealth 13は高速版のMX150を採用して、消費電力は上がるものの、よりクーリングを強化して高速3Dを実現している.
これらのマシンはいずれも1.3キロ前後という重さであった.そして、今回、イケてるモバイルノートに加わったZenBook S13はついに1.15キロと150グラムも軽量化を果たしている.これは買いなのだ.
とはいえ重さにキビしい日本人のオジサンモバイラーとしては、さらに「軽量化」にこだわったMX150搭載ノートが欲しいのである.1キロ切りのほど、みなさんがんばってちょうだい~~~!!!