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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第499回

業界に多大な影響を与えた現存メーカー AS/400でオフィスでの地位を不動にしたIBM

2019年02月25日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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PowerPCをAS/400で使える方向を模索

 さて、1995年までは順調にプロセスを微細化しながら進んできたわけだが、IBM内部ではこれ以上CISCプロセッサーを改良するのではなく、アーキテクチャーをまとめたいという声が当然ながらあがっていた。

 相手は言うまでもなくPOWER、正確に言えばそのサブセットであるPowerPCベースである。連載494回で説明したように1990年にRIOS-1ベースのRS/6000が初出荷され、以後プロセスの微細化によってどんどん高性能化と高集積化を進めていく。

 1993年のPOWER2ではついにシングルダイ化が可能になったが、こちらは高性能向けのプロセッサーで、価格的にもAS/400のラインナップにはやや厳しい構成だった。

 むしろ有望視されたのは、PowerPCである。もともとPowerPCはIBMがApple向けに、POWER1のサブセットとして開発したプロセッサーであり、これにMotorolaを加えた3社によって開発が進められた、という話は、書籍「忘れ去られたCPU黒歴史 Intel/AMDが振り返りたくない失敗作たち」のFile14に収録されているので、ここでは割愛する。

 その最初の製品であるPowerPC 601は、1993年に無事出荷を開始しており、AppleだけでなくIBMもPowerPCを搭載したRS/6000のラインナップを提供し始めた。

 IBMやMotorolaはこれに続き、より性能を強化したPowerPCの開発をスタートしており、これとは別にAS/400向けCISCの高性能化を図るよりも、AS/400にPowerPCを使える方向を模索するのはある意味当然と言える。もっともこれは一筋縄ではいかなかった(以下次回)。

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