業界人の《ことば》から 第329回

日本発のグローバルベンチャーを生み出せるのか

三菱地所とSAP「Inspired.Lab」が大手町にあるワケ

大手町を「特区」に変えられるか

　大手企業ではイノベーション創出が重要なテーマになる。それを推進するイノベーション部門の「出島」や「特区」として、企業の枠を超えた場を提供。大手企業とスタートアップによるコラボレーションを生み出し、より変革が加速するエコシステムを構築することになるという。

　つまり、大手町は大手企業が集積する街だからこそ、スタートアップ企業やアカデミア、ベンチャーキャピタルとのコラボレーションが起こりやすい街である、というわけだ。

　「郊外ではなく大手町である意味がそこにある」とし、「街全体をオープンイノベーションフィールドにしていきたい。これを早期に実現したい」とする。三菱地所の湯浅執行役常務が目指すのは「連日、テクノロジーとアイデアがあふれ出す街」だという。それが大手町の新たな姿になる。

　すでに同様の取り組みは大手町でいくつか始まっている。スタートアップ企業が集積する拠点も大手町に存在する。今回の取り組みは三菱地所が主導する形で推進している点に加えて、よりイノベーション創出やコラボレーションに焦点を当てた拠点といえるだろう。

　大手町が新たな顔を持った街に生まれ変わるきっかけを生むことができるか。その試金石になりそうだ。