IT業界に新たな常識を作り上げる製品の発表
SAPジャパンは、5月からSAP Business Suite powered by SAP HANAを発売する。
それにあわせて、3月7日、東京・有楽町の東京国際フォーラムにおいて、ユーザー向けイベント「SAP Business Suite powered by SAP HANA製品発表会」を開催した。
同イベントで挨拶に立ったSAPジャパン・安斎富太郎社長は、「私は30年以上、IT業界で仕事をしている。しかし、今日のこの日ほど、興奮して迎えた日はなかった。今日は極めて歴史的な発表になる。1964年にIBMが発表したシステム360に勝るとも劣らぬ発表である」と語った。
IBMのシステム360とは、それまでのコンピューターがさまざまな周辺機器を接続し、ハードウェアの固まりとして提供されていたものを、プログラム互換性を持つ機器へと進化させた初めての製品ともいわれ、それを象徴する言葉として「システム」という言葉が用いられた。
つまり、「OS」や「プログラム互換性」という、その後のIT業界の常識を実現する初めての製品だったのだ。
そして、360という数字には、プログラムによって、あらゆる業務にも対応できる「360度」という意味を持たせていた。実際、システム360は、さまざまな分野で利用された、まさに万能な新世代コンピューターだったというわけだ。
では、なぜ、SAP Business Suite powered by SAP HANAが、システム360に匹敵する発表になるのだろうか。
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