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さとうなおきの「週刊アジュール」 第76回

LUISが間もなく日本リージョンで利用可能に

Azureのストリーミングデータプロセッサ「Trill」をオープンソースに

2018年12月18日 14時00分更新

文● 佐藤直生 編集 ● 羽野/TECH.ASCII.jp

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Azure Cosmos DB:Azure Cosmos DB EmulatorのCassandra APIサポート

 Azure Cosmos DBは、複数のデータモデル/APIをサポートしたグローバル分散型のNoSQLデータベースサービスです。

 Azure Cosmos DB Emulatorで、SQL API、MongoDB APIに加えて、Cassandra APIがサポートされました。

 これによって、既存のCassandraアプリケーションの移行や、Cassandraアプリケーションの新規開発を行う際に、Azure Cosmos DB Emulatorを使ってアプリケーションをローカルで開発、テストできるようになります。

Azure SQL Database:列ストアへのオンライン変換など

 Azure SQL Databaseは、SQL Serverベースのリレーショナルデータベースサービスです。

 Azure SQL Databaseで、行ストアから列ストアへのオンライン変換のサポートが、パブリックプレビューになりました。

Azure SQL Databaseでの、行ストアから列ストアへのオンライン変換

 Azure SQL Databaseの一機能であるAzure SQL Database Managed Instanceは、オンプレミスのSQL Serverとの100%に近い互換性を持つデータベースサービスです。

 今回、Azureのエンタープライズ開発/テストプランで、Azure SQL Database Managed Instanceの開発/テスト価格での提供が開始されました。これによって、Azure SQL Database Managed Instanceの開発/テストワークロードでコストを削減できます。開発/テスト価格は、従量課金価格から最大で55%割引となります。

 Azure SQL Databaseの「透過的データ暗号化」(TDE)は、データベースに格納されるデータを暗号化する機能です。

 既定では、データベース暗号化キーが組み込みのサーバー証明書で保護されます。オプションで、キーの持ち込み(BYOK)を行うことができます。この場合、データベース暗号化キーは、Azure Key Vaultに自分で格納したキーによって保護されます。

 4月に、Azure SQL Databaseの透過的データ暗号化で、BYOKサポートがGAになっていました

 今回、Azure SQL Database Managed Instanceの透過的データ暗号化でのBYOKサポートが、パブリックプレビューになりました。

Azure SQL Databaseの透過的データ暗号化での、BYOKサポート

 SQL Server Management Studio(SSMS)は、SQL Server、Azure SQL Database、Azure SQL Data Warehouse向けのデータベース開発、運用のための、Windowsで動作するツールです。

 11月にリリースされていた18.0のパブリックプレビュー5に続いて、SQL Server Management Studio 18.0のパブリックプレビュー6がリリースされました。

Azure SQL Data Warehouse:Informatica Intelligent Cloud Services

 Azure SQL Data Warehouseは、SQL Serverベースのデータウェアハウス(DWH)サービスです。

 5月にプレビューになっていたAzure上でのInformatica Intelligent Cloud Services(IICS)が、GAになりました。

 IICSは、従来のデータウェアハウスからAzure SQL Data Warehouseへの移行を支援します。事前構築マッピングによるデータ統合と、データアクセラレータによるAzure SQL Data Warehouseへの簡単な移行の2つが可能です。

Informatica Intelligent Cloud Services(IICS)

Azure Database Migration Service:Premiumレベル、Managed Instanceへのオンライン移行

 Azure Database Migration Serviceは、データベースのAzureへの移行を支援するサービスです。

 Azure Database Migration Serviceで、オフライン移行をサポートするStandardレベルに加えて、オフライン移行、オンライン移行の両方をサポートするPremiumレベル(旧称Business Criticalレベル)が、GAになりました。Premiumレベルでは、大規模なワークロード、ビジネスクリティカルなワークロードの移行を実行できます。

 9月のIgnite 2018カンファレンスで、オンプレミス/VMのSQL ServerからAzure SQL Database Managed Instanceへのオンライン移行が、プレビューになっていました

 今回、この機能がGAになりました。

Power BI Embedded:11月のアップデート

 Power BI Embeddedは、Power BIで作成した対話型のレポートを、カスタムアプリケーションに埋め込むことができる、ISV/開発者向けのサービスです。

 9月のアップデートに続いて、Power BI Embeddedの11月のアップデートがまとめられています。

Azure Resource Healthでの、Power BI Embeddedの監視

Azure Service Bus/Azure Event Hubs:仮想ネットワークサービスエンドポイント、IPフィルタリング

 Azure Service Busは、メッセージングサービスです。

 Azure Event Hubsは、スケーラブルなイベント受信サービスです。

 仮想ネットワーク機能を提供するAzure Virtual Networkは、Azureサービスへのアクセスを特定の仮想ネットワーク(VNET)からのみに制限し、インターネット経由のアクセスを遮断することができる「仮想ネットワークサービスエンドポイント」を提供しています。

 6月に、仮想ネットワークサービスエンドポイントのAzure Service Bus/Azure Event Hubsサポート、Azure Service Bus/Azure Event HubsのIPフィルタリング(ファイアウォール)が、パブリックプレビューになっていました

 今回、これらの機能がGAになりました。Azure Service BusのPremiumレベル、Azure Event HubsのDedicated、Standardレベルでサポートされています。

Azure Event Hubsでの、仮想ネットワークサービスエンドポイントの構成

Azure IoT Edge 1.0.5

 Azure IoT Edgeは、分析やビジネスロジックをクラウド側ではなくエッジ側で実行できるようにするサービスです。

 11月にリリースされていた1.0.4に続いて、Azure IoT Edge 1.0.5がリリースされました。このリリースでは、安定性の改善が行われています。

Azure Cognitive Services:Language Understandingの12月のアップデート、QnA MakerのFAQ抽出機能改善、SDKリリース

 Azure Cognitive Servicesは、画像認識、音声認識、自然言語処理といった、AIを活用したAPIサービスです。

 Azure Cognitive Servicesの1サービスであるLanguage Understanding (旧称LUIS)は、文章から意図を理解するカスタムモデルを構築できるサービスです。

 Language Understandingが、日本のリージョンで利用可能になる予定です。なお、ブログポストではすでに利用可能であると書かれていますが、本稿執筆時点ではまだ利用可能になっていないようです。「リージョン別の利用可能な製品」によれば、東日本リージョンでは2018年第4四半期(2018年12月中)、西日本リージョンでは2019年第1四半期(2019年3月中)に利用可能になる見込みです。

 また、Language Understandingで、トレーニング時間が短縮されました。

 Azure Cognitive Servicesの1サービスであるQnA Makerは、カスタムのQ&Aサービスを構築できるサービスです。

 QnA Makerでは、既存のFAQソースからの抽出機能が改善され、.NET、Node.js,、Go、Ruby向けSDKがリリースされました。

Azure Bot Service:Bot Framework SDK 4.2、Enterprise Bot Template、Web Chat 4.2

 Azure Bot Serviceは、チャットボットの開発フレームワーク「Microsoft Bot Framework」ベースのチャットボットをホストするためのサービスです。

 11月にリリースされていた4.1に続いて、Bot Framework SDK 4.2がリリースされました。

 このリリースでは、Azure Application Insightsを使った組み込みの監視/テレメトリ機能の改善が行われています。

 9月のIgnite 2018カンファレンスでリリースされていたEnterprise Bot Template仮想アシスタントソリューションも、継続的に改善されています。

 Azure Cognitive Servicesの1サービスである「Speech Services」は、speech-to-text、text-to-speech、音声翻訳などを提供するサービスです。

 Web Chat 4.2では、Speech Servicesのspeech-to-text、text-to-speechがサポートされました。

Azure Scheduler:サービス終了

 Azure Schedulerは、ジョブをスケジュールして自動的に呼び出すサービスです。

 Azure Logic Appsは、多数のコネクターを通してビジネスプロセスを自動化するワークフローを開発できる統合プラットフォームサービスです。

 Azure Schedulerが、2019年9月末にサービスを終了する予定であることが発表されました。Azure Schedulerをお使いの方は、後継のAzure Logic Appsに移行してください

Azure Media Services:Azure Media Hyperlapseのサービス終了

 Azure Media Servicesは、メディア配信サービスです。

 プレビューとして提供されていたAzure Media Servicesの「Azure Media Hyperlapse」機能が、2019年3月29日にサービスを終了する予定であることが発表されました。

 2018年は、今回が最後の記事となりました。それでは、また来年。

 それでは、また来週。

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