さとうなおきの「週刊アジュール」 第75回
Azure VMにSQL Server向けリソースプロバイダー、従量課金構成などが可能に
AKS監視機能「Azure Monitor for containers」がGA
2018年12月27日 13時30分更新
こんにちは、さとうなおきです。今回の「週刊アジュール」では、2018年12月9日~15日の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。
Azure Storage:静的ウェブサイト
ストレージサービス「Azure Storage」の一機能「Azure Blob Storage」は、オブジェクトストレージサービスを提供します。
6月に、Azure Blob Storageの「静的ウェブサイト」機能が、パブリックプレビューになっていました。
「静的ウェブサイト」機能を使うと、HTML、JavaScriptなどで構成される静的ウェブサイトのコンテンツをAzure Blob Storageにアップロードして、Webサイトとして公開できます。インデックスページ、エラーページを指定できます。Azure CDNを併用することで、カスタムドメイン、SSL有効化も可能です。
今回、この機能がGA(一般提供)になりました。
Azure Virtual Machines:SQL Server向けリソースプロバイダー
IaaSの仮想マシン(VM)機能を提供するAzure Virtual Machinesで、Azure Virtual Machines上のSQL Server向けの新しいリソースプロバイダー「Microsoft.SqlVirtualMachine」が提供されました。
このリソースプロバイダーを使うことで、Azure Virtual Machines上のSQL Serverのライセンスを、Azureハイブリッド特典、または従量課金に構成できます。ダウンタイムなしで、構成変更が可能です。
また、このリソースプロバイダーを使うことで、SQL Server Always On可用性グループの複数VM構成を自動化できます。
- ブログポスト「SQL Server on Azure Virtual Machines resource provider」
- ブログポスト「Automate Always On availability group deployments with SQL Virtual Machine resource provider」
Azure Backup:Microsoft Azure Backup Server V3
Azure Backupは、バックアップ/復元サービスです。
Microsoft Azure Backup Server(MABS)の最新バージョンとなるV3がリリースされました。このリリースでは、Windows Server 2019、SQL Server 2017がサポートされ、いくつかの新機能もあります。
Azure App Service:Linux上のPythonサポート
Azure App Serviceは、Webアプリ、Web API、モバイルバックエンドをホストするためサービスです。
Azure App ServiceでのPythonアプリケーション実行のエクスペリエンスが大幅に改善されました。これまでは、Windowsベースで、またはLinuxコンテナーとして、Pythonアプリケーションを実行することができました。
今回、App Service on LinuxのPythonランタイムサポートが、パブリックプレビューになりました。これによって、カスタムのDockerコンテナーを使うことなく、Linux上でPythonアプリケーションを実行できるようになります。
- 更新情報「App Service Linux の Python イメージが現在プレビュー段階」
- ブログポスト「新しいパブリック プレビュー: Azure App Service on Linux でのネイティブな Python サポート」
Azure Kubernetes Service (AKS):Azure Monitorによる監視
Azure Kubernetes Service (AKS)は、マネージドKubernetesサービスです。
Azure Monitorは、Azureにおけるフルスタックの監視サービスです。
12月10日~13日に、米国シアトルで「KubeCon + CloudNativeCon North America 2018」が開催されました。
Azure MonitorのAzure Kubernetes Service(AKS)監視機能である「Azure Monitor for containers」は、5月のBuild 2018カンファレンスでプレビューになっていました。今回のKubeConで、Azure Monitor for containersがGAになりました。以下のような機能強化がされています。
- マルチクラスタービュー
- パフォーマンスグリッドビューでの、AKSクラスターのドリルダウン
- ライブデバッグ
- Azure CLI、ARMテンプレート、Terraformを使った、Azure Monitor for containersのオンボード
- ブログポスト「KubeCon North America 2018:サーバーレス Kubernetes とコミュニティ主導の革新の実現」
- 更新情報「コンテナーの Azure Monitor が利用可能」
- ブログポスト「コンテナーの Azure Monitor の一般提供開始」
Azure Service Fabric:RESTベースのPowerShellモジュール
Azure Service Fabricは、Windows Server/Linux上で動作するマイクロサービスプラットフォームであり、コンテナーオーケストレーターでもあります。
これまで、Azure Service FabricのPowerShellモジュールを使うには、Azure Service Fabricランタイムのインストールが必要でした。
新しいAzure Service FabricのPowerShellモジュールのプレビューでは、Azure Service FabricのREST APIと直接通信することで、Azure Service Fabricランタイムをインストールする必要がなくなりました。
Visual Studio App Center:デスクトップUI、モバイルポータル
Visual Studio App Centerは、iOS、Android、Windows、macOSアプリケーションのビルド、テスト、配布、監視のためのサービスです。
Visual Studio App CenterのデスクトップUI、モバイルポータルで、いくつかの改善が行われました。
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