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LLMの進化で機能強化が続くGaiXer、「手厚いサポート」「国産」でさらに導入を加速へ

「一社に一台、GaiXerを」 FIXERの生成AIプラットフォームは“万能型”目指す

2025年04月01日 11時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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マイクロソフトが「Microsoft AI Tour」を東京ビッグサイトで開催した

 マイクロソフトが2025年3月27日に開催した「Microsoft AI Tour」。FIXERもパートナーとしてブース出展し、エンタープライズ向け生成AIプラットフォーム「GaiXer(ガイザー)」の紹介を行っていた。

 

FIXER 藤澤風緒(かざお)氏

マルチLLMをセキュアかつ手軽に使えるGaiXer

――いまGaiXerのデモを拝見していましたが、「いつの間にか、こんな機能も使えるようになったんだ!」というものも多くありました。

FIXER 藤澤氏:GaiXerはマルチLLMのプラットフォームです。OpenAI社の「GPT」をはじめ、現在は各社が日進月歩の勢いでLLMをアップデートしており、それに伴って新たな機能もどんどん使えるようになっています。

 GaiXerでも、そうしたLLMの進化に遅れないよう、開発チームが日夜頑張って追随しているかたちですね。なので、たとえば1年前と比べると“GaiXerが出来ること”は大きく広がっていると思います。

紹介されていたデモの1つ「マインドマップの作成」。「人間がやれば2~3時間かかるような作業が、瞬時にできます」(藤澤氏)

――さまざまな自治体でのGaiXer採用を発表されていますが、実際に導入の多い業界や、評価されているポイントは?

藤澤氏:やはり、地方自治体や中央省庁でのご採用は多いですね。また、民間企業でも幅広く使っていただいてますが、特に多いのは金融機関のお客様です。

 評価いただいているポイントのひとつは「情報セキュリティ」です。「Azure Open AI Service」を活用して、入力された情報はお客様専用の環境内で処理しますから、情報漏洩の心配をすることなく安心・安全に使えるわけです。

 さらに、自治体や官公庁のお客様では、日本政府のセキュリティ評価制度である「ISMAPーLIU」特別措置リストへの登録、自治体専用の閉域ネットワークであるLGWANとの接続といった点も評価いただいています。

――生成AIの業務活用を考えるとき、まず気になるのは情報セキュリティの部分ですからね。

藤澤氏:すでに自治体や官公庁、金融機関といった、セキュリティ要件の厳しいお客様に多く採用されていますので、ほかの業界のお客様でも安心して活用いただけると思います。

 また、先ほど「GaiXerはマルチLLMプラットフォーム」というお話をしましたが、どのLLMもシームレスに使えるようなUI(ユーザーインタフェース)、操作面の改善にも力を入れています。

GaiXerのメイン画面。誰でも使えるシンプルなUIを目指している

顧客ニーズに合わせた手厚いサポートも評価ポイント

――GaiXerには「テンプレート」と「学習セット」の機能がありますね。

藤澤氏:はい。テンプレートはLLMへのプロンプト(命令文)をプリセットしたもの、学習セットはLLMが処理の際に参照する業務ナレッジ、といった位置づけです。たとえば、学習セットに社内マニュアル文書をアップロードして、LLMに参照させながら回答を求めるといったことができます。

――いわゆる「RAG(検索拡張生成)」のシステムが簡単にできるわけですね。あと、あらかじめ用意されているテンプレートも、初期と比べてかなり充実していると思います。

藤澤氏:そうですね。プリセットされているテンプレートは、FIXER社内にいる専門のプロンプトエンジニアが開発を行っています。ユーザーが実際に業務で使う場面をイメージしながら開発しており、そのあたりの社内レビューもきっちり行っています。

 お客様によっては「(自社独自に)こういうテンプレートもあらかじめ用意しておいてほしい」という高度なご要望もあります。オプションサービスにはなりますが、FIXERがお客様向けに開発したものをご提供することもできます。

 ちなみにお客様のご要望は、「テンプレートや学習セットは自社で準備したい」から「テンプレートや学習セットまで(FIXER側で)セットアップしてほしい」「GaiXerの導入研修をやってほしい」まで、まちまちです。そうした幅広いご要望にも、柔軟に対応できる体制を整えています。

さまざまな職種の業務に合わせたテンプレートを搭載。もちろん独自のテンプレートを追加することも可能だ

――画面のメニューに「KA(知識拡張)」というものがありますが、これは新しい機能ですか?

藤澤氏:はい、これは現在開発を進めている機能です。これまで、学習セットとしてはテキスト情報しか取り込めなかったのですが、新たに画像や動画、音声といった情報も取り込めるようにしようとしています。

――動画や音声も取り込めるようになると、活用の幅がさらに広がりそうですね。最後に、これからのGaiXerが目指すサービス像とはどんなものでしょうか。

藤澤氏:GaiXerは、幅広いニーズに対応できる「オールラウンドプレイヤーのAIプラットフォーム」を目指しています。先ほどご紹介したような手厚いサポートも、それを実現するための取り組みのひとつです。

 市場では業務特化型の生成AIサービスが数多く登場していますが、GaiXerが目指すのは、日々の業務を効率化するために、カジュアルに使っていただく“定番”のAIプラットフォームです。国産サービスなので安心・安全に使えますし、かゆいところにも手が届く。最終的な目標としては“一社に一台、GaiXerを!”ですね(笑)。

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