最新パーツ性能チェック 第239回
「Ryzen Master」の新機能「Dynamic Localモード」をねちっこく考察
2920Xと2970WXの価格はお得か?Ryzen Threadripper全モデル検証
2018年11月08日 14時30分更新
Adobeのエンコーダーでは2950X/2920Xが上位よりも優秀
では動画エンコード系のテストへ入る。まずは「Premiere Pro CC」で編集した再生時間1分の8K動画を「Media Encoder CC」を利用してMP4形式の動画にエンコードする時間を計測する。ビットレートは50Mbpsとし、コーデックは2パスH.264及び1パスH.265とした。
2990WXのファーストレビュー時点では、動画エンコードは2990WXは苦手なようだと結論付けた。だが今回Dynamic Localモードを有効にすることで、大幅に処理時間が短縮していた。ただし、それでもはやり2990WXよりも2950Xのほうが単純に速いということを考えると、「WX」付きThreadripperは動画エンコードが(少なくともAdobeの動画エンコーダーでは)苦手という結論は揺るがない。
また、Dynamic Localモードを無効化した時のエンコード速度には大きな幅がある点を強調しておこう。今回は試行回数を多く儲けワーストケースを記述したが、Dynamic Localモード無効化の場合でも2990WXなら最短で14分台、2970WXも16分台で終わることもあった。この理由については後ほど検討するが、Dynamic Localモード無効時の結果の振れ幅は“運”の要素が絡んでいる。
なお、Dynamic Localモードの効果が見られたのはH.264の処理だけで、より計算負荷の高いH.265では効果が出ていないのは、Zen系CPUはMedia EncoderにおけるH.265の処理を不得意とする傾向があるのと、CPU負荷があまり高くない(コアを均等に使わない)点に原因があるようだ。
この連載の記事
-
第458回
自作PC
Arc B580のRTX 4060/RX 7600超えは概ね本当、11本のゲームで検証してわかった予想以上の出来 -
第457回
自作PC
インテル新GPU、Arc B580の実力は?AI&動画エンコードは前世代より超強力に -
第456回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」は高画質設定でも最強ゲーミングCPUであることに間違いはなかった -
第455回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」が最強ゲーミングCPUであることを証明する -
第454回
デジタル
性能が最大50%引き上げられたSamsung製SSD「990 EVO Plus」は良コスパSSDの新星だ -
第453回
デジタル
性能も上がったが消費電力も増えた「Ryzen 7 9800X3D」最速レビュー、AI推論の処理速度は7800X3Dの約2倍! -
第452回
自作PC
Core Ultra 200Sシリーズのゲーム性能は?Core Ultra 5/7/9を10タイトルで徹底検証 -
第451回
自作PC
Core Ultra 9 285K/Core Ultra 7 265K/Core Ultra 5 245K速報レビュー!第14世代&Ryzen 9000との比較で実力を見る -
第450回
デジタル
AGESA 1.2.0.2でRyzen 9 9950Xのパフォーマンスは改善するか? -
第449回
デジタル
Ryzen 9000シリーズの性能にWindows 11の分岐予測改善コードはどう影響するか? -
第448回
デジタル
TDP 105W動作にするとRyzen 7 9700X/Ryzen 5 9600Xはどの程度化ける? レッドゾーン寸前を攻める絶妙な設定だが、ゲームでの効果は期待薄 - この連載の一覧へ