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最新パーツ性能チェック 第239回

「Ryzen Master」の新機能「Dynamic Localモード」をねちっこく考察

2920Xと2970WXの価格はお得か?Ryzen Threadripper全モデル検証

2018年11月08日 14時30分更新

文● 加藤勝明 編集●ASCII編集部

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コア数減が主な変更点だがTDPは変化せず

 では改めて第2世代Threadripperのスペックを確認しよう。従来どおり「WX」付きが4基のダイで動作するクリエイター・イノベーター向けモデル、「X」付きが2基のダイで動作するエンスージアスト・ゲーマー向けモデルとなる。今回投入された12コア/24スレッドの2920Xは実売価格8万6000円前後だが、現行モデルでコア数的に対等な「Core i9-7920X」は実売価格12万2000円前後なので3万6000円ほど安く手に入る計算だ。

 価格的に対等な製品は現在存在しないが実売価格7万円前後の「Core i7-7820K」や6万円台後半の「Core i9-9900K」と比較すると、物理コア数で勝るという図式になる。Skylake-X Refreshの国内価格は現時点において不明だが、2018年11月時点の予想価格通りだとすれば、今回の2920Xはコア数と価格のバランスが絶妙だ。コア数でも価格でもCore Xに優位に立てるよう計算されているようだ。

第2世代Threadripper及びRyzen 7最上位のスペック
Ryzen Threadripper 2990WX Ryzen Threadripper 2970WX Ryzen Threadripper 2950X Ryzen Threadripper 2920X Ryzen 7 2700X
アーキテクチャー Zen+ Zen+ Zen+ Zen+ Zen+
コア / スレッド 32 / 64 24 / 48 16 / 32 12 / 24 8 / 16
CCX・ダイ構成 (4コア+4コア)×4ダイ (3コア+3コア)×4ダイ (4コア+4コア)×2ダイ (3コア+3コア)×2ダイ 4コア+4コア
ベースクロック 3GHz 3GHz 3.5GHz 3.5GHz 3.7GHz
ブースト最大クロック 4.2GHz 4.2GHz 4.4GHz 4.3GHz 4.3GHz
L2キャッシュ 16MB 12MB 8MB 6MB 4MB
L3キャッシュ 64MB 64MB 32MB 32MB 16MB
XFR2
Precision Boost 2
Precision Boost Overdrive
対応メモリー 4ch DDR4-2933 4ch DDR4-2933 4ch DDR4-2933 4ch DDR4-2933 2ch DDR4-2933
TDP 250W 250W 180W 180W 105W
PCIeレーン数 64レーン 64レーン 64レーン 64レーン 24レーン

 上の表の通り、2970WXと2920Xは、先行モデルのCCXが4コア+4コア構成だったものを、単純に3コア+3コア構成のものに置換しただけだ。コア数とL2キャッシュ以外のスペックはほぼ据え置きとなる。ただし、コア数が少なくなってもTDPは上位モデルから減っていないという点も重要。オーバークロック(以下、OC)して楽しみたいという人はマザーボードのVRMのレーン数などに注意したいところだ。

2970WX(左)と2920X(右)の情報を「CPU-Z」で拾ってみた。TDP表記と右下のコアとスレッド数の違いに注目

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