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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第285回

新型ScanSnapでスキャンを起点とする作業を自動化するワザ

2018年10月28日 10時00分更新

文● 柳谷智宣

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仕事終わりは交換した名刺を
まとめてEightに登録する

 ビジネスの人脈を名刺管理アプリEightで管理している人は多いだろう。しかし、交換した名刺を毎日取り込むのが面倒で、溜めてしまいがちだ。名刺を管理する際には、交換した日付が想像以上に重要な情報となる。後日まとめてスキャンする場合、その日が登録されてしまうのがネックだ。

 ドキュメントスキャナーで名刺をEightに登録するには、全国に展開する「どこでもスキャン」を利用する手がある。もしくは、有料のプレミアムユーザーであれば、PC経由で取り込むことも可能。しかし、自分のオフィスで作業したいが、無料ユーザーだというならScanSnap iX1500の出番だ。クラウドの保存先に「Eight」を選択すれば、まとめて登録できる。名刺をセットして、ボタンにタッチするだけ。PCを操作する必要もないので、帰社する際にでもササっと作業できるのだ。

保存先に「Eight」を選択

アクセスを許可する

名刺がEightに登録された

 ScanSnap iX1500には4ユーザー分のライセンスが付属しており、従業員ごとにEightの取り込みボタンを作れば共用することも可能。追加ライセンスも販売されており、価格は1万584円(税込)となる。

ユーザーは色分けされているので、誤操作しにくくなっている

Microsoft Flowと連携させて
複雑な処理を自動化させる

 クラウドストレージに保存できるのも便利だ。同じような設定でも保存場所の違いで複数のボタンを用意してもいい。もちろん、クラウドストレージの中のフォルダーも指定できるので、「契約書」「請求書」といったフォルダー分けをしてもいいし、「A社」「B社」と組織で区切ってもいい。ただし、フォルダーの選択画面で新規作成はできないので、あらかじめ作っておくこと。

 これだけなら簡単なので、タスク自動化ツール「Microsoft Flow」と連携させて複雑な処理をさせてみよう。たとえば、ここではオフィスに届いた郵便物をスキャンしたら、OneDriveの「郵便物」フォルダーにアップロードするように設定する。1ヵ所のみだと、誤操作や事故により紛失しかねないので、Microsoft Flowを使って別のクラウドサービスに自動でコピーするようにしてみる。

 まずは「ScanSnap Home」でOneDriveへの保存プロファイルを作成する。その後、Microsoft Flowでテンプレートを探す。今回は、「ファイルがOneDriveに追加されたときにOneDrive for Businessにコピーする」というテンプレートを利用した。OneDriveとOneDrive for Businessにサインインし、それぞれの保存フォルダを選択すれば準備完了。スキャンして少しすると、両方のクラウドストレージにPDFファイルが保存されるようになった。

OneDriveにフォルダーを作成し、郵便物のスキャンを保存するように設定

「Microsoft Flow」からテンプレートを開き、サインインしたら「続行」をクリックする

スキャンがアップロードされるフォルダーとコピー先のフォルダーを設定し、「Create Flow」をクリックする

自動的に別のクラウドサービスにバックアップが保存されるようになった

 次は、郵便物がアップロードされたらSlackに通知が飛ぶように設定してみよう。今度は、テンプレートを使わずに、イチから作ってみる。まずは、OneDriveで検索し「ファイルが作成されたとき」というトリガーを選択する。OneDriveのアカウントにサインインして、フォルダーを設定する。続けて「新しいステップ」をクリックしたらSlackで検索し「投稿メッセージ」というアクションを選択する。Slackにサインインし、チャンネル名や投稿するテキストを設定すれば完了。郵便物のスキャンが保存されると、自動でSlackに通知が届くようになる。

OneDriveに「ファイルが作成されたとき」というトリガーをクリックする

フォルダーを指定したら、Slackのアクションを追加する

チャンネルとテキストを入力して保存する

スキャンしたら、通知が届くようになった!

 ScanSnap iX1500とクラウドサービス、そしてMicrosoft Flowを連携させればドキュメントのスキャンがとても気軽に行なえる。その後の処理が不要という気軽さは、必ずや従業員がスキャンする頻度の向上につながる。オフィスのペーパーレス化が進めば、事務処理の効率もアップ。ドキュメントワークフローに大きな変化が生まれそうだ。

筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。


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