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柳谷智宣のkintoneマスターへの道第64回

kintoneの計算式で消費税の四捨五入や切り捨てを実現する

2018年10月17日 09時00分更新

文● 柳谷智宣

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サイボウズ社が提供しているウェブサービス「kintone」は、一言で言うなら「簡単に自社の業務に適したシステムを作成できるクラウドサービス」だ。業務アプリを直感的に作成できるほか、社内SNSとしての機能も備えスピーディーに情報共有ができるなど魅力が盛り沢山だ。
本連載では、そんなkintoneの導入から基本機能の紹介、そしてアプリの活用法など、ビジネスの現場で役立つ情報を取り上げていく。第64回では、kintoneの計算式で消費税の四捨五入や切り捨てを実現する。

 飲食店で売上を管理する際、消費税もきっちり管理する必要がある。消費税は8%なので、0.08をかければいいだけなのだが、小数点以下の端数が問題になる。お金をやりとりしているのだから、1円未満の数値が出ても困る。

 小数点以下を表示しないようにするのは簡単だが、正確に計算するとなると意外と手間がかかる。アプリの構築時に、しっかりと設計しておく必要があるのだ。

 標準設定のまま消費税の計算を行なうと、当然小数点以下も表示される。そこで、フィールドの設定で「小数点以下の表示桁数」を「0」に設定しよう。消費税が整数で表示されるようになるはずだ。しかし、合計にはやはり小数点以下が表示される。これは内部的には、小数点以下ごと計算されているため。合計フィールドも設定で小数点以下を表示しないようにすればいい。

 しかし、これでは一時しのぎにしかならない。CSVファイルにエクスポートするとやはり小数点以下も込みで表示され、現金の計算がしにくいのだ。

普通に1.08をかけて計算すると小数点以下が表示されてしまう
フィールドの設定で「小数点以下の表示桁数」を「0」にする
消費税が整数表示されたが、合計はまだ小数点以下が表示されている
合計のフィールドも設定する
きちんと表示できているように見える
CSVファイルに出力すると、あくまでデータは小数点以下も含めて計算されているのがわかる

 小数点以下を四捨五入するなら、YEN関数を利用すればいい。計算フィールドではなく、「文字列(1行)」フィールドで設定する。「YEN(数値,四捨五入の桁数)」のように入力すればいい。例えば、「YEN(1000.5, 0)」と入力すれば、計算結果は「\1001」となる。

 「YEN(価格*0.08,0)」で消費税を計算できる。四捨五入してくれるので、飲食店でも使いやすい。ただし、YEN関数で計算した結果は文字列として扱われるので、その結果を数値として扱うことができないのだ。例えば、上記の例では計算した消費税を価格と足すということができない。もちろん「YEN(価格*1.08,0)」で消費税込みの合計は出せるのだが、データを流用できないのは困ることもあるだろう。

数値や計算ではなく、文字列フィールドでYEN関数を利用する
きちんと四捨五入されて計算していることがわかる

 実は、kintoneには、小数部の丸め方を選択する機能が用意されている。切り捨てや切り上げもしくは「最近接遇数への丸め」の3種類で、四捨五入はない。最近接遇数とは四捨六入で、5の場合は最寄りの偶数になるように丸めること。例えば、「0.8」なら「1」になるし、「2.3」は「2」になる。そして、「2.5」も「2」になるのだ。四捨五入であれば「3」になるところだ。

 この偶数への丸めは、四捨五入よりも誤差が小さいと言われる方式で、銀行家が好んで使ったことから「銀行丸め」とも呼ばれている。とはいえ、他のシステムが四捨五入なら、それに合わせなければいけない。そして、そのデータは他の計算にも使いたい場合もある。そんな時は、ちょっと込み入った計算式を利用する必要がある。

 まずは、アプリ設定から「高度な設定」を開き、「小数部の桁数」を「0」に、「丸めかた」を「切り捨て」に設定する。続けて、「丸め」という数値フィールドに加え、「消費税」と「合計」の計算フィールドを作成する。

 四捨五入するなら「丸め」の初期値は「5」にしておこう。そして消費税の計算式には「(価格*8/10+丸め)/10」と入力する。これは、小数点部の桁数を「0」にしているから、「0.08」と入力すると正確に計算できなくなってしまうためだ。

 これで、消費税を正確に四捨五入でき、その結果は計算できるので足し算で合計を求めることが可能になる。

「高度な設定」を開き、「小数部の桁数」を「0」に、「丸めかた」を「切り捨て」に設定する
「丸め」の数値フィールドと、「消費税」と「合計」の計算フィールドを作成する
「丸め」の初期値は「5」に設定する
消費税の計算式には「(価格*8/10+丸め)/10」と入力
きちんと計算できた。計算フィールドなので、さらに計算に使うこともできる

 実は、消費税の計算は切り捨てでも切り上げでも四捨五入でも何でもOK。店が選んでよいのだが、レジやPOS、その他のシステムと同じ計算方法でないと、細かい誤差が出てしまう。

 しかし、上記のフィールド設定にしてれば、変更も簡単。「丸め」の数値を「0」にすれば切り捨てになるし、「9」にすれば切り上げになる。レコードごとに異なる計算方法にすることも可能だ。

丸めが0なら切り捨て、5が四捨五入、9が切り上げとなる

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