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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第14回

機能よりも「ユーザー体験」が多い:

AndroidからiPhoneに乗り換える理由

2018年10月02日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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●AndroidとiOSについて

 AndroidはGoogleが開発するモバイルOSで、世界最大のユーザーベースを誇っています。2017年5月のGoogle I/O 17では月間アクティブユーザー数が20億人であることが発表されました。また2018年1月には23億人になっているとみられています。

 アップル以外のほぼすべてのスマートフォンメーカーがAndroidを搭載するデバイスを開発しています。マイクロソフトのWindows Phoneや、リサーチ・イン・モーションから社名が変わったブラックベリーなど、スマートフォン黎明期を支えたプラットフォームもありましたが、マイクロソフトに買収されたノキアも、ブラックベリーも、Androidベースのスマートフォンを出荷するようになりました。

 ハイエンドモデルから100ドルを切るデバイスまで、非常に多彩なメーカーが、多様なマーケットに合わせ、膨大な数のAndroidスマートフォンを製造しています。

 そうした環境の中、現在唯一生き残っているモバイルOSがアップルのiOSです。iOSが動作するスマートフォンはiPhoneのみで、そのiPhoneも年に1度、2~3機種が発売されるだけ。Androidスマートフォンの端末の種類に比べると、非常に限られた存在です。

 しかもハイエンドモデルを発売し、昨年以前のモデルの値段を下げて併売することで5~6モデルを取り揃える戦略を続けているため、インドなどのアジア太平洋地域では型落ちのモデルでも価格が高すぎ、需要を取りこぼしている様子が見受けられます。

 一方、ハイエンドモデルの新技術導入のスピードも、Androidスマートフォンが勝っています。年に1度の発売タイミングしかないiPhoneに対し、Androidは各メーカーがそれぞれのタイミングで新製品を投入するため、新技術がより速く採用されるのです。

 たとえば3G、4Gといった次世代通信規格はiPhoneよりもAndroidスマートフォンが先に登場しました。その他にも高画素化や複数のレンズを搭載したカメラ、有機ELディスプレー、ワイヤレス充電などもAndroidで当たり前になったころiPhoneにもたらされました。

 アップルのティム・クックCEOは「最初ではなく最高を目指す」とたびたび指摘しており、そもそも新製品投入のスピードで勝負していないと言いますが、最新の技術や機能を試したい人は、Androidに注目していくことになるはずです。

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