柳谷智宣のkintoneマスターへの道 第61回
メール配信のクラウドサービス「SendGrid」と連携
kintoneの顧客リストからDMを一斉送信する方法
2018年09月21日 15時30分更新
サイボウズ社が提供しているウェブサービス「kintone」は、一言で言うなら「簡単に自社の業務に適したシステムを作成できるクラウドサービス」だ。業務アプリを直感的に作成できるほか、社内SNSとしての機能も備えスピーディーに情報共有ができるなど魅力が盛り沢山だ。
本連載では、そんなkintoneの導入から基本機能の紹介、そしてアプリの活用法など、ビジネスの現場で役立つ情報を取り上げていく。第61回では、顧客リストアプリからダイレクトメールを一斉送信してみる。
販売促進のためのDMを送信できる「SendGrid」との連携方法
kintoneの顧客リストで管理している宛先に、販売促進のためのダイレクトメールを送りたいということがあるだろう。kintoneの標準機能では無理なので、外部サービスと連携する必要がある。今回は、「SendGrid」と連携させる方法を紹介しよう。
SendGridはグローバルに展開するメール配信のクラウドサービス。自前でメールサーバーを構築することなく、大量のメールを配信できる。料金プランは8種類用意されており、最上位プランだと月間250万通送信でき、価格は12万3120円。上限超過時でも0.052円/通と安い。そして、なんと月間1万2000通までならフリープランが用意されている。無料でこれだけの数のメールを送信できるのは太っ腹で、起業したばかりのスタートアップには嬉しいところ。UIは英語だが日本語のマニュアルが用意されているので、英語が苦手でなければ問題なく利用できる。
SendGridは「SendGrid kintone プラグイン」を公開しており、kintoneアプリで管理している顧客リストに対して、メールの一斉送信が可能。もちろん、テンプレートはSendGrid上で作成しておく必要がある。
kintoneの顧客アプリを開き、一覧の設定を行なう。もちろん、既存のアプリを利用できるが、メールの宛先や本文に埋め込めるのは「文字列(1行)」と「リンク(メールアドレス)」フィールドのみとなる。
SendGridのブログもしくはコチラからプラグインファイルをダウンロードし、kintoneの設定から追加する。
設定画面を開くと、まずは「共通設定」タブでAPIキーを入力する。あらかじめSendGridで作成しておいたAPIキーをコピー&ペースとしよう。続いて「送信設定」タブを開き、メールの送信元となるメールアドレスやfromの表示名、送信する宛先のフィールド設定する。
「デフォルトテンプレート」の「テンプレートの取得」をクリックして作成済みのテンプレートを取得し、プルダウンメニューから選択すると画面下にプレビューが表示される。さらにその下には、「置換設定」が用意されている。たとえば、「-name-」というタグをアプリの姓フィールドに置き換え、冒頭で「柳谷様、いつもご愛顧~」と個人名で呼びかけることができる。タグを追加すれば会社名や肩書きを入れたり、フルネームにすることも可能だ。
準備ができたら、一覧のメール送信ボタンをクリック。確認ダイアログで「送信」をクリックすれば、一斉送信される。送信してしまうと、取り返しが付かないので、テスト送信はSendGrid側で行なっておくこと。
SendGridの準備さえできていれば、kintoneアプリとプラグイン側の操作はとても簡単。これで、顧客管理アプリにダイレクトメールを送信できるというのは大助かりだ。
SendGridのフリープランでは宛先に登録できるメールは2000件までで、1ヵ月に1万2000件配信できる。最大人数でも付きに6回もメールが送れるのだ。柔軟なテンプレートやクリックとランキング、詳細な統計なども利用でき、メールマーケティングを行なう予定があるならチェックしておこう。
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