本連載は、Adobe Acrobat DCを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第67回は、格好いいフォントを使った資料を異なる環境でも同じように表示してみる。
独自のフォントをPDFに埋め込むには
プレゼン資料を現場のPCで再生する場合、Officeがなくても表示できるPDFファイルにしておくと便利。PDFファイルなら、Acrobat Readerさえあれば環境を選ばず、同じように表示できるからだ。しかし、相手の環境にないフォントを利用している場合は、PDFファイルに埋め込んでおく必要がある。
フォントを埋め込んでいないPDFファイルを、そのフォントがインストールされていないPCで開いた場合、別の似たようなフォントで代替表示される。さらに、英語版のOSなどでは日本語が表示されないこともある。そんな時、PDFにフォントが埋め込んであれば、きっちり保存した環境と同じように表示できるのだ。
プレゼン会場についてから、まともに表示できず冷や汗をかくくらいなら、何があっても大丈夫なPDFファイルにしておいたほうが安心だ。
アプリの印刷機能からPDFファイルを作成する場合は、プリンターのプロパティー画面から設定する。まずは、プリンターに「Adobe PDF」を選択し、「プリンターのプロパティ」をクリック。「Adobe PDF設定」タブを開き、「PDF設定」で「最小ファイルサイズ」以外を選べばいい。「最小ファイルサイズ」のみ、フォントが埋め込まれないためだ。さらに「編集」をクリックして、フォントの埋め込み設定をカスタマイズすることも可能だ。
PowerPointなど、Microsoft OfficeからPDFファイルを作成する場合は「PDFMaker」を利用するが、その際は「ACROBAT」タブの「環境設定」から設定する。「PDFMaker」の設定画面の「設定」タブを開き、「PDF設定」で「最小ファイルサイズ」以外を選べばいい。
もちろん、スマホの「Acrobat Reader」アプリでも同じ。フォントなしだと代替フォントが利用され、フォントありだとスマホでも同じように表示される。
ただし、当然ファイルサイズはフォントを埋め込んだ方が大きくなる。今回のサンプルファイルは9枚で、標準で保存すると1.93MBのところ、最小ファイルサイズだと206KBと約9~10分の1になっている。固定回線やLTEが使えるならどちらでも構わないだろうが、3Gや速度制限がかかっている状態だと、この差でも通信時間に影響がでるかもしれない。状況や環境に合わせて、フォントの扱いを自由に選べると、PDFの活用幅が広がるので、是非覚えておいてほしい。
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