メッセンジャーアプリ「微信」から伝言を送ると
音声で再生してくれる
この製品の面白いところは、専用アプリや、騰訊の微信(WeChat)での連携が充実していること。実はこれこそがこの製品の差別化された部分であり、最大の特徴と言える。
騰訊といってイメージされるのは、微信やゲームだろうか。また動画・音楽配信のコンテンツホルダー・プラットフォーマーとしても知られる。
また騰訊は多くの音声プラットフォームに投資していることから、騰訊自身の1700万曲という音声コンテンツも含め、提供できる音声コンテンツ数は非常に多い。
騰訊听听は、騰訊の強みのうちの微信と音楽コンテンツの多さでほかのスマートスピーカーと差別化している。
微信を活用した機能とは、リモートから家庭への伝言機能だ。微信からメッセージをテキストや音声で送ると、スマートスピーカーに届いて、ボタンを押すと音声化したメッセージを再生する。
微信の多機能な微信公式アカウント機能「微信公衆号」を活用し、スマートスピーカーの微信公衆号と所有する騰訊听听を紐づけて、テキストや音声をスマートスピーカーに送っている。
音楽については、無数のコンテンツをわかりやすく専用アプリからも提供している。専用アプリを起動すると音楽配信アプリさながらに多数の音楽コンテンツが表示され、曲そのものや曲ジャンルをタップするとスマートスピーカーから音楽が流れる。
ほかのスマートスピーカーのようにおまけ機能ではなく、デザインなどに気を使っていてすごく使いやすい上に、騰訊が配信権を所有していて無料で音楽を聴くことができる。
ウェイクワードからの声掛けにより希望の音楽を流すことはできるが、どんな曲があるのか、どんな曲を流したいのかといったときに、洗練された音楽配信機能がアプリに実装されているのは大変ありがたい。
ハンズフリーにこだわらないところがいい感じ
スマートスピーカーはハンズフリーで操作できることが特徴だが、ハンズフリーだけで操作する製品である必要はない。
わかりやすいアプリから選曲を行ない、微信からスマートスピーカーで家にメッセージを送り、スマートスピーカーのボタンを押してメッセージを聞き出す。
必要なときに音声で操作する。微信と大量のコンテンツが強みの騰訊が見せたスマートスピーカーはそういった使える製品であった。

この連載の記事
-
第221回
トピックス
インド・ネパールカレー店によくある楽器から、未知の世界をスマホで知った -
第220回
トピックス
中国動画サービス「ビリビリ」から広がる、個人による独自ハード開発文化 -
第219回
トピックス
iPhone発売! その製造のために中国では数十万人の労働力が人海戦術で投入されている -
第218回
トピックス
キャッシュレス決済に逆行!? Wi-Fiでも水でもネカフェでも、何でも硬貨投入で買えるフィリピンのコイン文化 -
第217回
トピックス
3Dプリンターで製品を作って商売しまくる中国 「3D打印農場」が増えすぎて早くもバブル崩壊!? -
第216回
トピックス
中国製パーツでノートPCを作ってしまったファーウェイ サプライチェーンを構築した制裁からの6年 -
第215回
トピックス
中国社会でも迷惑がられる転売業者 狙われるのはSwitch 2からライブチケット、病院の整理券まで -
第214回
トピックス
中国でDeepSeek狂奏曲 VRAM96GB(?)の改造4090カードや各種製品が高速で大量登場 -
第213回
トピックス
日本から一番近いアフリカが中国・広州にあった デジタル中古市場の熱気がすごかった! -
第212回
トピックス
中国でも大人気のいらすとや 人気になった理由と中国流スタンプ文化 -
第211回
トピックス
日本のSNSでブレイクの「格付けミーム」は中国発 中国のコンテンツが日本で二次創作に使われる例が生まれる - この連載の一覧へ











