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山谷剛史の「アジアIT小話」 第156回

メッセンジャーの自動再生など、中国Tencent製スマートスピーカーが想像以上に使えた

2018年07月26日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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「Tencent」の文字が強調されるスマートスピーカー。699元(1万1500円ほど)

「Tencent」の文字が強調されるスマートスピーカー。699元(1万1500円ほど)

 日本同様、中国でもさまざまなスマートスピーカーがリリースされている。

 中国では「Google Home」や「Amazon Echo」ではなく、大手EC企業「京東」(JD:ジンドン)の「Dingdong」という製品と、EC企業の「阿里巴巴」(Aibaba:アリババ)の「天猫精霊」(ティエンマオジンリン)、スマートフォンで知られる「小米」(Xiaomi:シャオミ)の「小米小愛」という3つが知られている。

 天猫精霊は所有しているが、ECサイトのスマートスピーカーらしく、ショッピングが可能。京東もやはりショッピングもできるスマートスピーカーとなっている。

 また3製品とも対応家電の操作が可能だ。比較してみれば、いずれもAmazon Echoを模倣したように見える。

 一方で、今回紹介するスマートスピーカー「騰訊听听」は毛色が異なる。これはネット大手の「騰訊」(Tencent:テンセント)が中国メーカーとしては最後発としてリリースした製品だ。

 当然、ウェイクワードで起動させ、さまざまな言葉による要求を聞き取り、音声で応えるが、家電は操作できない。とはいえ貧弱というわけでもなく、むしろ実用的な製品だと感じた。

ちょっと大きな円筒形の「騰訊听听」
バッテリー内蔵でBlueotoothスピーカーとしても使える

 では騰訊听听を紹介していこう。騰訊听听は騰訊がリリースする最初のスマートスピーカーで、形状は定番の円筒型。定番のボタンが設置されている上部は10度ほど傾斜している。

 また「9420」(中国語でジョースーアーリン)というウェイクワードによる声掛けで、頂部のLEDが光って反応する。

2000元クラスのスピーカー性能をつめこんだ、としている

2000元(約3万3000円)クラスのスピーカー性能をつめこんだ、としている

 底面から頂部まで226mm、直径は82.6mm、重さは950g。スピーカーにこだわりがあるからこそ長く、高くなったそうだ。

 頂部には音量の大小ボタンとミュートボタンと機能ボタンがあり、インターフェース類は側面に給電用のmicroUSBコネクターとオーディオアウトコネクターがあるくらいだ。

持ち運んで使うことも可能だ

持ち運んで使うことも可能だ

 2500mAhのバッテリーが内蔵してあり、半日程度スタンドアロンでスタンバイして時々音楽など流してもらうことができた。またBluetoothを内蔵していることから、モバイルスピーカーとして使うこともできる。

さまざまな音楽が聴けたり、水滸伝がオーディオブックで聴けたりする

さまざまな音楽が聴けたり、水滸伝がオーディオブックで聴けたりする

 声掛けでできることは、音楽(~のジャンルの音楽を聴きたい、誰の音楽を聴きたい、~のテーマ曲を聴きたいなど)、ニュースやラジオ(~チャンネルのラジオを流してほしい、今日のニュースを聴きたいなど)、オーディオブックを聴きたい、京劇や相声などの中国の伝統芸能を聴きたい(例えるなら歌舞伎や漫才や落語を聞きたいというようなもの)、スポーツの結果が聴きたい、アラーム(明日の晩に~の予定があると伝えてほしい、明日の予定を教えてほしい、8時に起こしてほしい)、天気(明日の~の天気は、今日あう服はなど)、残バッテリー確認などといったニーズに対応している。

 なお、対応言語は中国語のみなので、中国語の発音が達者な人しか声での操作は難しい。

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