業務を変えるkintoneユーザー事例 第33回
「私にとって、システム導入は楽しいものでしかない」
ディップがkintoneで電子契約を実現!月1万5000時間の工数を削減
2018年07月05日 11時00分更新
2018年6月14日に開催されたkintoneのユーザーイベント「kintone hive tokyo」。5社の事例発表があるなか、今回は3人目の登壇となるディップ 経営管理本部 経営統括部 業務管理部の加藤亜美氏のプレゼンを紹介する。テーマは「システム初心者でも実現できた! 申込書の電子契約システムの導入」だ。
ビジネスが拡大するにつれ、「私たちは書類に埋もれ始めました」
ディップは、日本最大級のアルバイト・パート求人サイト「バイトル」を運営している会社だ。イメージキャラクターである乃木坂46がアルプス一万尺の替え歌で歌って踊るCMを見たことがある人は多いだろう。六本木グランドタワーに本社をかまえており、設立はサイボウズと同じ1997年となる。
「私は2008年に営業として入社しました。その頃は、顧客対応はマメだが社内処理は雑、といういわゆる典型的なタイプの営業でした。現在は、内勤になって4年経っており、仕事をスムーズに進められている……はずです(笑)。経営管理本部業務管理部に所属しており、業務内容は売上処理における社内の効率化を進めています。一児の母で、仕事と家庭の両立を行なうために、定時に毎日帰宅しています」(加藤氏)
ディップは2014年に東証一部に上場し、その時点から現在までで売上は3倍、社員数は1800名と2倍に増加。拠点数は33拠点で、北は札幌から南は九州まで幅広く展開している。そんな中、加藤氏は「売上と社員の増加、拠点数の拡大とともに、私たちは申込書の処理に追われて、書類に埋もれ始めました」という。
ディップ 経営管理本部 経営統括部 業務管理部の加藤亜美氏
「私も3年前は申込書の処理をしていました。月の後半になると、だんだん目の下にクマができるほど作業に追われていたのです。そこで、現状の見直しと1つの決断をしました」(加藤氏)
本来の業務を、営業/クライアント/スタッフという3つの観点で見直したのだ。ディップの場合、営業担当はアポイントを取ったり訪問したりという営業活動に加えて、求人広告の原稿や動画の作成も行なっている。ただでさえ忙しいのに、それにプラスアルファで申込書の回収業務があるという状態だったのだ。また、クライアントはそもそも、人不足でディップに依頼している。求人広告を掲載したら、求職者対応で輪を掛けて忙しくなるので、申し込み手続きは付随業務となってしまう状態。スタッフに関しても、申込書の回収、売上の処理、帳票の補完・管理などの手間が大変だったそうだ。
その見直しの結果、FAXの返送と紙の出力、帳票の保管コストの3つが無駄だと考えるようになったという。申込書回収業務の負荷を軽減するため、電子契約システムを導入し、脱紙管理をするという大きな決断を下したのだ。
ベンダー選定に苦労し2ヵ月経過するも
kintoneに出会って1ヵ月で導入完了
システム導入に際し、ベンダーの選定を始めたが、ディップとして重視する条件がいくつかあった。セキュリティーやシステムの柔軟性、金額などの条件をクリアするところはあったものの、絶対条件である最短導入という点がクリアできなかったという。
「最後の願いをかけて出会ったのがkintoneです。サイボウズの担当の方に希望や要件を話すと、『あーはいはいわかります、そうですね』とライトなご返答をされたんです。それまでベンダー選定で苦労していたので、そんなにライトな返事をして大丈夫なのかと心配でした」(加藤氏)
「実は今だからこそ言えるのですが」と加藤氏は笑ったが、その時は気が気でなかったろう。しかし、次にサイボウズの担当者と合ったときに持ってきたプランが、ディップの要求にドンピシャだった。それまでベンダー選定に2ヵ月もかかっていたのに、なんとシステム導入が1ヵ月で済んでしまったのだ。まさに、kintoneのスピード感がツボにはまったケースだ。
今回のシステムを導入するにあたり、加藤氏が重視したのは営業負荷の軽減と操作性の簡易化だった。まずは、一部の営業部に試しに導入したのだが、すぐに社内の口コミで広がってしまう。6月に導入し、予定では首都圏から順次広げていく予定が、いろんな部署から早くやらせてくれ、という声が寄せられた。そこで、自然と全国リリースが大幅に前倒しできたという。
「導入から6ヵ月後の利用率は65%を想定していました。それが全国リリースして初月で53%とかなり高く、私たちは驚きました。しかも翌月には66.2%と、1ヵ月で目標をクリアしてしまいました。現在は、利用率90%を目指しています。今は、使っていない営業さんに対して、なんで使わないの? とお声かけをしているところです」(加藤氏)

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