採点結果の集計や学生への返却を支援し小中高大学教員の業務効率化支援、「in Campus Scan」
キヤノンITS、学校向け“テスト採点OCR”ソリューションを発売
2018年05月10日 13時00分更新
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)とキヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は2018年5月10日、教育機関(小中高大学)向けソリューション「in Campus Series」の新製品として、紙/手書きで実施されたテストやレポートの採点集計、学生への返却といった煩雑な作業を支援する「in Campus Scan」を発表した。社会課題となっている教職員の長時間労働解消を支援する。6月1日より発売。
キヤノンITSが開発、2014年から提供しているin Campus Seriesは、授業情報ポータルやLMS(学習管理システム)、学生個人の学修成果を蓄積するポートフォリオといった機能を提供する教育支援情報プラットフォーム。大学などの教育機関が必要な機能だけを導入できるよう、モジュール型の設計となっている。
今回のin Campus Scanは、このin Campusプラットフォームのラインアップに追加された新ソリューション。クラウド型サービスとして提供される(大学向けではオンプレミス導入、他システムとの連携カスタマイズも可能)。
具体的には、紙ベースで実施されたテストやレポートの採点済み用紙を教員がスキャンすると、採点結果や学籍番号(またはクラスや出席番号)をOCRで読み取ってデジタルデータ化し、学生/生徒個人と紐付けた形でExcelデータとして提供するというもの。さらに回答/レポート用紙のスキャン画像も個人ごとのPDFファイルとして提供されるため、返却をメールやLMSなどで行うことが容易になる。
さらに、今年(2018年)後半にはキヤノン製複合機やin Campus LMSとの連携機能も提供開始する予定。これにより、採点済み用紙を複合機でスキャン→OCRで集計→LMSへの採点結果登録→LMSを介した学生への結果通知や用紙返却といったフローを一元化/自動化する。
同ソリューションでは、定型レイアウトではなく、各学校独自のテスト/レポート用紙レイアウトをそのまま利用することができる。スキャン開始時に学籍番号/氏名/得点の記入位置を指定する必要があるが、キヤノンITSのR&D本部が開発したディープラーニング技術が適用されており、それぞれの位置を自動推定して示すことで指定を容易にしている。また、学籍番号や得点は1マスに1文字を書く必要がない(自由ピッチで記入ができる)。
in Campus Scanの発売は6月1日。クラウドサービスの税抜価格は、小/中/高高向けが年額50万円から、大学向けが年額100万円から。また大学向けのオンプレミス導入(LMS連携)については個別見積もり。
なお今後の開発ロードマップとして、2019年には他社LMSとの連携や管理者のロール機能追加によるセキュリティ強化を、また2020年にはフリーフォームOCR機能強化による“自動採点”の実現も予定しているという。