気になるゲーミング性能は?
では、そろそろゲーミング性能に踏み込んでいきたい。まずは「3DMark」のスコアーをチェックしよう。CPUをフル回転させて物理演算を実行するテストもあるため、CPUコア数の多さも重要になるが、果たして結果はどうだろうか。
DirectX11ベースのFire StrikeではCore i7-8700Kが完全独走状態だが、DirectX12ベースのTime SpyおよびTime Spy ExtremeではRyzen 7 2700XがCore i7−8700Kに対し勝利をおさめた。だが、同じ8コア16スレッドでもTDP65Wである2700のスコアーが全般的に低い点は見逃せない。ゲーミング目的なら2700無印よりも2700Xを優先的にチョイスすべきだろう。
ここからはゲームの有名タイトルを中心に検証を進めていく。まずはPUBGこと「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」だ。画質は“ウルトラ”に設定し、島マップ(ERANGEL)の南端の島に上陸してから中盤の軍事基地へ移動(約5分間)した際のフレームレートを「OCAT」で測定した。解像度フルHD/WQHD/4Kの3通りでテストを実施している(以降同様)。
今回はPUGBを筆頭に3本の実ゲームでベンチマークを実施したが、PUBGはその中でも最もCPU負荷の軽いゲーム(6コア12スレッドCPUだとCPU全体で33%程度占有)だ。こうなるとシングルスレッド性能の高いCore i5/i7が断然強いが、唯一Ryzen 7 2700Xはかなり高いフレームレートを示した。だが解像度を上げてGPUの負荷を上げていくと、その差は徐々に小さくなり、4Kだとほぼ誤差レベルになる。ゲームにおいてGPUがボトルネックになった状況では、ライバルと第2世代Ryzenとの差は小さくなるといえる。
続いては「FINAL FANTASY XV」で比較する。公式ベンチマークは性能を比較するにはあまり適さない設計なので実ゲームを利用した。画質はプリセットの“最高”を選択するが、“HairWorks”や“Turf Effects”等の「NVIDIA」を冠した設定は全てオフにしている。
計測はゲームで最初に車を利用して移動するシーンを利用。ここでも計測は「OCAT」を使用している。
ここでも全体の傾向はPUBGの検証に似ているが、GPU負荷の低いフルHD時の平均fpsは、シングルスレッド性能の高いCore i5/i7がワンツーフィニッシュを決めている。次いでRyzen 7 2700X、Ryzen 5 2600Xと、ブースト時の最大クロックの高いX付きモデルが高い値を示した。Ryzen 1000シリーズと比較しても、着実にゲーミング性能は向上したといえるだろう。
最後はCPU占有率が極めて高い(6コア12スレッドのCPU全体で80%前後占有)ゲームの代表として「Assassin's Creed: Origins」でもテストしよう。画質はプリセットの“最高”とし、ゲーム内のベンチマーク機能を利用して計測した。最高と最低fpsも掲示しているが、ベンチの特性からかブレも大きい。平均fps中心で見ることをお勧めする。
6コア12スレッドのCPUでも全コアに負荷のかかる強烈なベンチマークだが、ここでもGPUに余裕のあるフルHDやWQHDではCore i7−8700Kが強い。マルチスレッド処理中心のゲームタイトルも増えてきているが、ゲーミング用途ではまだインテル製CPUが強いといえるだろう。
この連載の記事
-
第448回
デジタル
TDP 105W動作にするとRyzen 7 9700X/Ryzen 5 9600Xはどの程度化ける? レッドゾーン寸前を攻める絶妙な設定だが、ゲームでの効果は期待薄 -
第447回
デジタル
Zen 5とTDP増でゲーム性能は向上したか?「Ryzen 9 9950X」「Ryzen 9 9900X」の実力チェック -
第446回
デジタル
「Ryzen 9 9950X」「Ryzen 9 9900X」は“約束された”最強のCPUになれたのか? ベンチマークで見えた利点と欠点 -
第445回
デジタル
「Ryzen 7 9700X」「Ryzen 5 9600X」のゲーミング性能はゲームキングRyzen 7 7800X3Dに勝てる? -
第444回
sponsored
AI時代だからこそNVMe SSDで強化!! 新登場「WD BLUE SN5000」速攻レビュー -
第444回
デジタル
低発熱&低消費電力でも性能が向上した「Ryzen 7 9700X」「Ryzen 5 9600X」のアプリ&AI処理性能に驚いた -
第443回
デジタル
意外と良いかも! ビデオ内蔵8000Gシリーズ最下位「Ryzen 5 8500G」の性能 -
第442回
デジタル
ローエンドビデオカードの選択肢のひとつとなるか!? Radeon RX 6500 XTに8GB版が追加 -
第442回
自作PC
内蔵GPUを削除したRyzen 7 8700FとRyzen 5 8400Fに存在価値はあるのか? -
第441回
自作PC
いまどきのゲーミングPCでマザー側の映像出力に繋ぐのはあり/なし?古の禁忌に踏み込む -
第440回
自作PC
インテルCPUを安全に使える設定?「Intel Baseline Profile」のパフォーマンスを検証【暫定版】 - この連載の一覧へ