最近、「荒野行動」を始めとするスマホ向けのバトルロワイヤル(バトロワ)型ゲームの人気が高まっており、iOSやAndroidのアプリストアでランキング上位をキープ、YouTubeには大量のプレイ動画が公開されるなど盛り上がりを見せています。
この手のFPS/TPSゲームといえばPC向けというイメージが強かったものの、果たしてスマホでプレイできるのか。さっそく筆者も遊んでみました。
スマホで遊べる敷居の低さで大ヒットに
スマホ版が爆発的にヒットしている「荒野行動」に続き、PC用ゲームとして人気のある「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」(PUBG)もスマホ版を発表、現在は中国や米国のストアで配信されています。
両者の争いは白熱しており、4月上旬にはゲーム内に類似点があることを理由に、PUBGの開発元が荒野行動の配信差し止めを米国で訴えたと報じられ、話題になりました。一方、荒野行動もさまざまなオリジナル要素を含むアップデートを提供しており、4月19日に配信された最新の2.0では新マップが追加されています。
バトロワゲームがスマホで盛り上がる背景には、スマホの急速な性能向上があります。タッチの精度が良くなったことで、敵に武器の照準を合わせる「エイム」も練習次第で意のままに操作できます。画面解像度やGPU性能の向上により、バッテリーを激しく消費しつつも、高精細な3Dグラフィックを楽しめるようになりました。
特にスマホ版の荒野行動は、ハイエンドではない機種でも動作することもあり、ゲーム用のPCを持たない若年層を中心とした爆発的なヒットにつながったといえます。外に持ち出して友達とチームプレイができるのも魅力です。
荒野行動のプレイ自体は無料。ゲーム内に課金アイテムは多数あるものの、ゲーム内で有利になる要素はほとんどありません。勝てるかどうかはほぼ実力と運で決まるという点も、向上心をくすぐる仕掛けになっています。
スマホによくあるパズルやカードのゲームとは異なり、スマホで本格的なバトロワを始めた人がゲーミングPCにステップアップすることも考えられます。ユーザー層の裾野が急速に広がったという意味では、PC業界にとっても注目すべき動きといえるでしょう。
遠くの敵を一方的に発見できるiPadも魅力
バトロワゲームの基本は、100人のプレイヤー同士の戦いで最後の1人になるまで生き残ることです。そこで重要になってくるのが、広大なマップの中でいち早く敵を見つけることですが、スマホの画面サイズには限界があります。
距離によってはわずか数ドットの敵を探しながら、30分近くスマホの画面を凝視するとかなりの疲労を伴います。筆者は30代後半で、老眼のような症状はないものの、若者には勝てないと認めざるを得なくなってきました。
そこで「iPad Pro」の出番です。スマホとは操作感が異なるため慣れは必要ですが、画面が大幅に見やすくなり、遠くの敵を一方的に発見できる機会が増えました。
ただし、あらゆる面でiPadが有利というわけではありません。左右の視界ではiPhoneのほうが広く、iPadの画面はiPhoneの中央付近を切り出したように見えます。
このように、画面内で見える範囲としてはiPhoneのほうが広く感じるものの、iPad Proは1つ1つのオブジェクトが大きく描画されるので見やすいという違いがあります。
4月には第6世代の9.7インチiPadが発売されたこともあり、デバイスに課金してプレイを有利にするのもひとつの作戦といえるでしょう。
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