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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第450回

いまさら聞けないIT用語集 超広帯域メモリー規格のHBM

2018年03月19日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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HBMが第2世代に進化
類似規格のGDDR6とうまく棲み分け

 もともとHBMはAMDとHynix(メモリーチップ)、UMC(Silicon Interposer)、Amkor(実装)の4社の共同開発による独自規格であったが、2013年にJEDECに標準化の提案がなされ、2015年にJESD235Aとして標準化が完了したことで他のメーカーもこれに参加し始めてた。

 HBMの世代では採用例はAMDのみであったが、第2世代として信号速度を2Gbps(第1世代は1Gbps)にするとともに、メモリー容量を最大8GB(第1世代は4GB)に増量したHBM2は、SK HynixのみならずSamsungも量産を開始しており、またさまざまなベンダーがHBM2対応のIP(SoC用のライブラリー)を提供するなど一気に市場が盛り上がりつつある。

 ちなみに競合する規格はGDDR6ということになる。こちらは従来のGDDR系の最新規格で、最大16Gbpsの転送速度を持つ。ただ競合といっても、現実問題としてはあまり競合していない。理由はスペックと価格が大きく異なるからである。スペックを比較すると以下になっている。

HBM2とGDDR6の比較表
  HBM2 GDDR6
信号速度 2Gbit/pin 8~16Gbit/pin
バス幅 1024bit(128bit×8) 16/32bit
メモリー容量 2/4/8GB 4/8Gbit

 メインストリーム~ローエンドのビデオカードにはHBM2はややオーバースペックであり、価格も高めとなるので、こちらにはGDDR6が適当となる。その一方で、ハイエンド向けあるいは実装面積が厳しい用途にはHBM2が向いている。

 インテルがKabyLake-GでHBM2を採用したのは、外付けでGDDR6をつないだらパッケージが相当大きくなるため、とてもではないがNUCや2-in-1には収まらないし、だからといってメインメモリーと共用にしたらこちらがボトルネックになって描画性能が上がらないためである。

 ちなみにロードマップではこの先、さらに高速化されたHBM3やHBM4も予定されている。どこまで製品が出てくるかはわからないが、GPUやアクセラレーターなどの用途に広く使われていくことになるだろう。

※お詫びと訂正:記事初出時、表の一部に誤りがありました。記事を訂正してお詫びします。(2018年3月19日)

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