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オヤジホビー-ワタシが好きな物はみんなも好き、かもしれない- 第114回

映画でよく見るドイツ軍の手榴弾を買いました

2018年02月11日 17時00分更新

文● にゃかむら(@TK6506)、編集●アスキー

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注意書きと刻印の意味は

 ワタシが買ったM24柄付手榴弾はもちろん本物ではなく、オール木製のレプリカ品。実物では柄がパイプのように空洞なっていて着火するための紐が入っているんですが、レプリカではただの木の棒です。先端にあるビンのフタのような金属製キャップも、木を削って色を塗っただけなので、開けることはできません。爆発する部分も木製で、言ってみればたんなる木の棒なので、まさにポテトマッシャーそのものですね。

実物は底部に金属製のキャップがありますが、これは柄の先端を削って作られたダミー。開けることはできません

爆発する部分も木製。よく見ると木目が見えています

 M24柄付手榴弾の炸薬(爆発させるための火薬)はトリニトロトルエン、よくTNTと略されるあれで、170g入れられていました。キャップを開け、柄の中の紐を引っ張ると摩擦で遅延信管に着火され、およそ4.5秒で爆発するとのこと。破片ではなく爆発の圧力で敵を殺傷する手榴弾で、有効範囲はおよそ10mだったそうです。

 爆発する部分にはVOR GEBRAUCH SPRENGKAPSEL EINSETZENとスタンプされています。これは「使う前に起爆装置を取り付けろ」のような意味。

VOR GEBRAUCH SPRENGKAPSEL EINSETZENは注意書き

 なんでも、運搬時や保管時に誤爆しないように信管と起爆装置が外されていたため、こんな注意書きが書かれていたのだとか。この文字は1924年の生産開始から1940年4月まで書かれていたそうです。

 スタンプを強く押しすぎなのかズラしてしまったのかはわかりませんが、文字が滲んだようになっているのがちょっと残念です。海外製とのことなので、まぁこの程度は仕方のないところなのかもしれません。外袋のラベルからするとドイツ製らしいです。

バーコードの頭2桁は国番号。40はドイツ

 ラベルのStielhandgranateは柄付手榴弾のこと。Holz, Dekoはあんまり自信がないですが、木製装飾品という意味ではないかと思います。

 先ほどの注意書きのほか、柄の部分には焼印とスタンプがあります。このレプリカはミリタリーショーで入手したんですが、販売していたブースの方から、焼印とスタンプは輸入後に入れたと伺いました。

ドイツ製のようですが、焼印とスタンプは日本で入れたとのことです

 現用米軍のコード類ならなんとなくわかるんですが、ドイツ軍、しかも第二次世界大戦時となるとサッパリです。間違ってるところもあるかもしれませんが何卒ご容赦を。

 と予防線を張りつつ、いろいろ調べて見ました。まず焼印でくっきりと入れられているRRの文字。これはRichard Rinkerというメーカーのロゴらしいんですが、必ずしもRR社が作ったという意味ではないようです。というのも、手榴弾は大量に必要なため1社では生産が間にあわなくなり、1930年代半ばにはほかのメーカーでも作られるようになったようなのです。

 でもわざわざ敵国にメーカー名を教える必要もないよね、ということでロゴはRRのままに統一、後ろの番号が実際のメーカーを指すコードになっていて、RR217はSchmÖle & Comp.という会社を指しているそうです。38とあるので、1938年製ということなのかな。先ほどの白いスタンプが1924年~1940年だったので矛盾はないですよね。

 その下の2つのマークはアムト刻印というものらしいです。滲み気味で見にくいんですが、右はWaA331、左も同じみたい。これまたよくわからないんですが、なんでも軍の兵器局の検査に合格したという検査印なのだとか。331は検査官のコードらしいです。

爆発する部分にもアムト刻印

 アムト刻印は爆発する部分にもありました。こちらは416で、柄の部分とは別の人もしくは別の場所で検査されたという設定みたいです。まぁ爆薬と木の棒ですから、そりゃ検査も別の場所ですよね。

 それにしても、アムト刻印なんてまったく知らなかったので、今回はいい勉強になりました。安かった割にはよくできているし、なかなかいいお買い物だったと思います。ポツンと1本飾っておくのも寂しいから、もう1本買おうかなー。

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