そろそろ確定申告しなきゃだけど、今回はじめてな上にまだまだわかってない部分が多くて不安だよ……。という方はご安心ください。
確定申告するにあたって、知って損はない基礎知識をまとめてみました。ぜひご活用ください。
1.「収入」から経費と控除を引いたのが「所得」
ここから本来納めるべき税額を計算するのが「確定申告」
「1年間でこれだけの儲けが出たので、今年の税金はこれだけ納めます」と税務署に申し出るのが確定申告。個人事業主が申告する主な税金は「所得税」「消費税」「復興特別所得税」の3つです。サラリーマンなら税金は給与天引きですが、個人事業主は自己申告。収入に対して税金を納めすぎている場合は「還付金」という形で税金が戻ってきます。
2.領収書は封筒で袋分けすると便利
計算時は「項目別」、保存時は「月別」がオススメです
たくさんの領収書を経費として入力するときにオススメしたいのが袋分けです。封筒を用意して、「接待交際費」「新聞図書費」「旅費交通費」といった形で名前をふり、項目ごとにレシート・領収書を入れていきます。あとは集中して確定申告ソフトに入力するか、手書きの場合はまとめて計算すればOK。この「仕訳」をするかどうかで手間が段違いに変わります。
申告した領収書などの書類は保存する必要があります。保存にも封筒が活躍。領収書やレシートを月ごと(日付順)に並べ、多いときは日付ごとにホチキスでとめると便利です。次に12ヵ月分の封筒を用意して「2016年1月分」などと名前をふり、領収書を入れていきます。終わったらダンボール箱などにまとめておきましょう。
3.領収書保存はスキャンやスマホでOK
白色申告の場合、書類は5年間保存が必要です
平成28年度税制改正により、電子帳簿保存法においてスマートフォンでの領収書保存が認められるようになりました。ルールにしたがってデータを用意し、決められた日数内にタイムスタンプを付与するなど適正な管理をする必要はありますが、白色申告書類は5年間、青色申告書類は7年間保存が必須。領収書を長期間保管しておくコストが不要になるメリットは大きいといえます。
4.領収書がないときは「出金伝票」を作りましょう
文具店などで売っています
必要経費を計上するには領収書が必要ですが、電車やバスの交通費など、領収書が出ない経費も意外とあります。こういったときは「出金伝票」を作ります。日付、支払先、金額、支払い内容を具体的に記入しておきましょう。出金伝票にする経費としては、交通費、慶弔費、自動販売機で買った飲料代、領収書をなくしてしまったときなどがあります。
5.家賃・光熱費・通信費も経費にできます
ただし! 全額じゃなくて一部だけ
仕事場にしている自宅の家賃も経費にできます。家賃は家事按分といい「仕事スペース+仕事道具保管」の面積比から割り出します。電気代、ガス代、水道代、電話代などは使用時間などで計算します。たとえば仕事時間が8時間×5日間=40時間とすると、1週間=168時間の25%という計算になります。
6.医療費も控除対象になるから領収書は保管しましょう
「ロキソニンS」など「スイッチOTC医薬品」の特例もあります
平成28年度税制改正により、セルフメディケーション税制が新設されました。これは自分で健康に気をつかい、軽度な体の不調は自分で手当てをするという取り組みの一環で、「スイッチOTC医薬品」を1万2000円以上購入した場合、最大8万8000円まで所得から控除されます。具体的には「ロキソニンS」「アレジオン10」「イノセアバランス」などが該当します。
ただし! 医療費控除と両方の適用ができないことに注意。どちらの制度を使ったほうがいいかよく考えて選択しましょう。
7.e-Taxは便利だけど準備に時間がかかります
ICカードリーダー・ライターなどを買っておく必要あり
e-Taxはインターネットで確定申告ができるオンラインサービス。自宅でも作業ができて、役所が閉まっている時間でも受け付けてくれます。最大5000円の税額控除もあり、還付金が比較的早く入金されるというメリットもあります。
ただし申告前には、マイナンバーカードや住民基本台帳カードを使って電子証明書を発行したり、税務署に「e-Tax開始届出書」という書類を作成・提出する必要があります。電子証明書の発行にはカードを読み込むための市販ICカードリーダーライター、電子証明書発行用の専用ソフトも必要です。
8.マイナンバーも必要なので用意しましょう
税や保険の書類に書く欄あり
個人事業主のみなさんは、税や保険の書類などに自分や従業員のマイナンバーを記入する必要があります。税務署にマイナンバーを必要とする申請書などを提出する際は、本人確認が必要です。マイナンバーカードがあれば本人確認書類は1枚ですみますが、持っていない場合は複数枚の書類が必要です。なお、e-Taxを使う場合は本人確認書類は不要です。
9.還付金はまちまちですが1ヵ月~1ヵ月半で振り込まれます
2月~3月の確定申告期間中は大量の申告書が提出される時期。国税庁は還付金の支払い手続きにはおおむね「1ヵ月~1ヵ月半程度」の期間を要するとしています。
10.納付期限過ぎると延滞税取られます
納めるべき税金を期限内に納付できなかった場合は、法定納期限の翌日から完納の日までの延滞税が課せられますので要注意です!
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